税務最新情報

■最新版 2020年01月20日号 (第350)

令和2年度税制改正 所得税編

 みなさん、こんにちは、1月末は、法定調書と合計表、給与支払報告書、償却資産税の申告期限など、経理部門にとっては締切に追われる時期です。年末年始の連休との関係もあってスケージュールがタイトですので、お気をつけください。

 さて、今回は、令和2年度税制改正大綱から所得税に関する内容です。

◆NISA制度の改正

(1)未成年者が利用可能なジュニアNISAは、予定通り令和5年12月31日までで、終了されることになりました。

(2)つみたてNISAは、令和24年12月31日まで、延長されることになりました。

(3)一般NISAについては、令和5年12月31日までで、年間120万円まで投資できる現在の制度は終了します。令和6年以降は①年間20万円までの投資信託への投資枠と、②年間102万円までの上場株式への投資枠の2階建ての構造になり、②の上場株式への投資を行うためには、その前提として①の投資信託への投資を行うことが必要となります。

 なお、令和6年1月1日以前に、従来のNISA口座を開設していた者は、上記の②の株式への投資のみ継続した場合は、金融機関に、①を利用しない旨の届出をすることで、②部分だけを利用することが可能となります

 ①の投資信託への投資枠については、その後つみたてNISAへ移行することが可能となります。

◆未婚のひとり親に対する所得控除

 未婚のひとり親の場合でも、①生計を一にする総所得金額等の合計額が48万円以下の子がいる場合で、②親の合計所得金額が500万円以下である場合は、35万円の所得控除が認められることになりました。

 また、寡婦(寡夫)控除について、未婚のひとり親に対する所得控除と要件を同じくして、控除額を35万円の制度として整理します。従来の特例は廃止されることになりました。

 いずれも、令和2年分の所得税から適用されます。

 従来は、未婚のひとり親の場合は控除が一切認められず、寡夫控除と特別の寡婦を比較すると所得制限が同じなのに控除額が違うなど、歴史的な背景からか、微妙に不公平感がある制度でした。今年の改正で、非常にすっきりしました。

◆国外中古建物の不動産所得に係る損益通算の特例

 個人が令和3年以後、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合に、国外不動産所得の損失がある場合には、国外中古建物の償却費に相当する部分は生じなかったものとみさされます。

 国外の中古建物を購入して、中古建物に関する償却費を計上することで、赤字を作り、他の所得と通算することによる節税防止策です。

 富裕層で流行っていた、節税手法だそうです。海外不動産を購入して、中古の建物ということで短期間で減価償却費を計上して不動産所得を赤字にします。他の所得と通算可能なので、所得税が低く抑えられるという仕組みでした。そして、減価償却した海外不動産ですが、海外の場合は非常に長い期間建物を使用する背景があるとのことで、購入時の価額に近い金額で売却できるので、そこで所得が生じるのですが、分離課税になるので、税率が高い人にとってはかなり大きな節税効果があったそうです。

◆低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除制度

 個人が、都市計画区域内にある低未利用土地又はその上に存する権利であることについて、市区町村の長による確認がなされたもので、その年の1月1日に所有期間が5年を超えるものを譲渡した場合に、長期譲渡所得の金額から100万円を控除できる制度が創設されます。なお、譲渡対価の額は500万円以下である場合が条件となります。

 土地基本法等の一部を改正する法律の施行日か令和2年7月1日のいずれか遅い日から、令和4年12月末までの特例です。

 対価の額が500万円以下が条件となっており、小規模な土地の有効利用を趣旨とするものです。売ってもいくらにもならないし、税金が取られるなら売らないというような行動が想定されるため、令和4年12月までに譲渡した場合は控除を認めるという制度です。

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