税務最新情報

■最新版 2019年11月11日号 (第343)

軽減税率導入後あれこれ

 みなさん、こんにちは、消費税率引き上げから、しばらく経ちました。ポイント還元のためにクレジットカードやスイカが使える端末を導入したところ、手数料分の負担が気になるなどのお客さんの声がありました。クレジットカード導入で売上が伸びる業種もあるので、一概にいえませんが売上増がない場合は、手数料分の粗利が減るような形になるので、悩ましいところです。

 さて、今回は、消費税率引き上げ後の報道等で、気になったものを2つほどご紹介します。

大学のコンビニでパンを購入して昼休み中の教室で食べる場合の税率

 10月30日に、大学の教室はイートイン扱いで、軽減税率の対象にならないという、下記の記事がヤフーニュースで公表されています。

【Yahoo!ニュース】大学の教室は「イートイン」扱いで税率10% 学内コンビニの対応、制度的には問題なし

 国税庁のQ&Aで、学生食堂での食事に関しては、軽減税率の対象とならないというものがあります。食堂は、まさに飲食スペースですから納得できますが、教室は意外です。

 大学のコンビニでパンを購入して、昼休み中の教室で食べる場合に、教室が飲食するスペースに該当するのでしょうか。上記記事の中では、「大学が飲食を認めている場所が、イートインの対象になると理解しています」との店側の判断が掲載されています。この点については、国税のQ&Aで、店(今回のコンビニ)と施設設置者(今回の大学)での合意について、下記のような記載があります。

 飲食設備とは、飲食料品を提供する事業者が設置したものでなくても、設備設置者と当該事業者との間の「合意等」に基づき、その設備を当該事業者の「顧客に利用させること」としている場合は、これに該当します(軽減通達9)。

 この「合意等」には、契約書等で明らかにされている明示的な合意のみならず、「黙示の合意」も含みます。

 「黙示の合意」とは、飲食料品を提供する事業者が、設備設置者との明示の合意なく自らの顧客にその設備を使わせていることが設備設置者に黙認されており、かつ、飲食料品を提供する事業者がその設備を「管理支配しているような状況」をいいます。

 上記に当てはめると、昼休み中に教室でコンビニで購入したパンを食べることまでは、合意されているように思います。管理支配は及んでいないような気がしますが、教室内の飲食ゴミについてコンビニ側が廃棄するなどの契約になっているなら、該当してしまうかもしれません。また、スペースの関係で、昼休みの教室が実態として食事をするスペースとの合意がなされているとしたら、どうなるのでしょうか。悩ましい問題です。

 映画館や遊園地などでの飲食についても、Q&Aが公表されていますが、実務的には、非常に判断が難しい部分があります。現状では飲食スペースで飲食するかを顧客に意思確認して、判断している現状のようですが、あまりに実態とかけ離れていた場合にどうなるのか、不安が残るところです。

◆ポイント還元の会計処理

 税金関係の専門誌の週刊税務通信3576号で紹介された記事ですが、キャッシュレスポイント還元の処理で興味深い処理があります。同誌によれば、ポイント還元は「ポイント付与」「即時充当」「引落相殺」「口座充当」の4種類があるそうですが、コンビニなどでは即時充当という手法が取られることが多いようです。例えば税込1,100円の商品を購入した場合に、50円分のポイント相当分を、その場で控除して1,050円の支払いで、取引が完了するというものです。

 普通の感覚では、値引きしてもらって1,050円で購入したと考えるのが自然ですし、理論的にも1,100円のものを50円の値引きを受けている事実があります。

 ところが、同誌の記事によると、ポイント還元分は国庫補助金を財源とするので、1,100円の商品購入と50円の雑収入を計上するのが正しいとされています。実務的にも1,050円の課税仕入よりも、1,100円の課税仕入と、雑収入50円が対象外と処理される方が有利になるので、納税者にとっては有利な取り扱いとなります。

 もともとポイント還元は消費者還元事業で、本来は事業者間取引では生じません。しかし、キャッシュレス決済した場合に、相手が事業者か消費者かが不明ですから、キャッシュレス決済をした際に一律に還元している実態があります。還元されるポイントがキャッシュレス決済をしたカードの保持者に帰属するのであれば、そもそも会社の雑収入なのかという問題もあります。マイレージなどのカード会社の発行するポイントも含めて、その帰属がどうなるのかということを考えると奥が深い問題となります。

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