税務最新情報

■最新版 2019年05月20日号 (第346)

一体資産の摩訶不思議(軽減税率)

 みなさん、こんにちは、前回の記事で、軽減税率で本当にわからないことがある場合は、国税庁に問い合わせてくださいと記載しました。具体的には、国税庁に「消費税軽減税率電話相談センター」が設けられており、0120-205-553が電話番号です。解決しない問題は、ぜひ問い合わせをして、答えをもらうようにしましょう。具体的な質問が、国税庁のQ&Aにつながっていると思われます。

 さて、今回は、軽減税率で、ビジネス視点で重要な項目である一体資産について、ご紹介していきます。

◆一体資産とは

 一体資産とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一つの商品となっているものです。そのうち、①一体資産の対価の額(税抜)が1万円以下で、②一体資産の価額のうち一体資産に含まれる食品部分の価額の占める割合が3分の2以上であれば、全体について、軽減税率が適用される取扱いです。

 国税庁のQ&Aでは、紅茶とティーカップを組み合わせて一体資産として販売する例示などが掲載されており、軽減税率導入時のビジネスチャンスとして捉えられています。

◆一体資産とその境目

 一見すると一体資産のようで一体資産とならないものがあります。単品でも販売しているビールと総菜を、セットで購入すれば一括値引きがあるような場合は一体資産には該当しません。

 もう少し具体的に言うと、一体資産としての価格のみが提示されている必要があります。お歳暮やお中元のように酒とジュースがセットになっていて、その内訳の金額が明確になっていない場合で、上記の①②の要件を満たせば一体資産に該当します。一方で、内訳の価格が提示してありジュース類2,100円、酒類900円などと提示すると、軽減税率の食品と標準税率の酒類をセットで販売しただけで、一体資産に該当しないことになります。

 それ以外にも、食品と食品以外を「よりどり3品900円」という表示であれば、一品300円の商品を組み合わせて販売しているだけなので、一体資産にならない結果になります。

 最近、国税庁Q&Aで追加された内容では、お菓子とドリンクとおもちゃをセット商品として販売している事例が紹介されています。なんとなく、マクドナルドのハッピーセットを想像してしまいますが、「そのセット商品を構成する食品又は食品以外の資産について、顧客が選択可能であれば、あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものではない」として一体資産に該当しないとしています。さらに、「セット商品を構成する食品又は食品以外の資産について、選択可能な組合せのパターンを提示し、それぞれ組合せに係る価格のみを提示している場合は一体資産に該当する」との解説です。同じモノを購入するにあたって、パターンから選択すれば一体資産、自由に選べる場合は「よりどり3品」の変形系で非該当、摩訶不思議な感じです。

◆価格差以上に税込み金額が変わるケース

 一体資産の条件で、税抜1万円以下という条件があります。よって、他の要件は満たす前提で、税抜1万円の一体資産なら、税込み10,800円、税抜1万1円の一体資産なら税込み11,001円となります。税抜きの価格差は1円なのに、税込み金額では201円の金額差が生じます。金額を1円安くすることで、エンドユーザーは200円お得な結果になります。税抜1万円の商品が増えるかもしれません。

 逆のケースで、一体資産に該当しないものを、誤って一体資産として処理してしまうと、お客さんへは転嫁できていない部分を、事業者が被ることになります。多くの事業者で、2%粗利が動くというのは大きな要因ですので、一体資産の判定には慎重さが要求されます。

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