税務最新情報

2022年07月20日号 (第439)

国税庁レポート2022

 みなさんこんにちは、東京のコロナ感染者が増えています。一昨年と昨年、夏は増えたので想像はしていましたが、どうなるのでしょう。個人的には、人数制限や隣席との間隔を開けるなど合理的な対策で、飲食店の時間制限をしないでほしいと感じます。夜の飲食店が早く閉まることで夕方以降の来客が減り、飲食店の雇用確保が深刻化する事は、後に経済全体への影響を残すので、極力避けてほしいと考えます。

 今回は、国税庁レポートからの内容をご紹介していきます。

国税庁レポート

 国税庁レポートなる報告書を、毎年国税庁が公表しています。6月に2022年版が公表されたので、内容を紹介していきたいと思います。国税庁が公表している内容ですから、納税者に読んでもらいたい意図があるでしょうし、気になる内容なども含まれています。ボリューム的には68ページにも及ぶもので、個人的に気になった部分についてピックアップしていきたいと思います。

税収とそれに占める各税の割合

 2022年度の一般会計の予算としては、収入が107.6兆円、その内の税収が65.2兆円で、6割強を占めています。ちなみに、足りない部分の大部分は公債発行で賄われています。

 そして税収65.2兆円のうち、最も割合が高いのが消費税で21.6兆円、税収の内の33.1%を占めます。その次が源泉所得税の17.1兆円で26.2%、3番目が法人税の13.3兆円で20.4%となります。上記3税で70.3%となります。

 消費税自体は平成元年に導入されていますから、新しい税目ですが、今は税の中では最も高い税収を上げるまでになりました。法人税は、赤字だと納税がなくなるなど税収としては不安定な側面がありますが、消費税は国内消費に連動するので安定した財源となる特長があります。直間比率の是正のため導入された消費税ですが、財務省の視点からは大きく花開いたという状況でしょうか。

国税庁の機構

 税務調査が入る際に「査察が来た」とか、「国税庁が来た」と言う話を聞くことがあります。国税庁が直接税務調査に来ることはありませんし、査察の可能性はありますが、一般的には税務署か国税局の調査です。査察に関しては、悪質と思われる事案に入るもので、特殊なものと位置づけるべきです。

 組織としては、財務省の下に国税庁があります。国税庁では、税法の解釈の統一や、国税局・税務署を指導監督する位置づけで、通常は一般納税者と直接の関わりは持ちません。ただし、国税不服審判所という国税庁の直属の組織は、納税者から審査請求があった際に、国税局や税務署と独立した第三者的な立場で、審理して裁決を行っており、この部分については直接納税者と接点を持つことになります。

 国税局と沖縄国税事務所(12箇所)は、国税庁の地方支分部局と位置づけられます。また国税局や沖縄国税事務所の下に税務署(524箇所)が配置されています。

 国税局などでは、悪質な事案と疑われる場合の査察、大規模法人向けの税務調査を行っています。イメージ的には、資本金が1億円を超えるような法人の場合は、国税局の所管となります。なお、源泉税の未納の督促などの業務は国税局のセンターから電話がありますし、インボイスの登録申請書なども国税局の登録センターで行うなど、一般の納税者が国税局と直接的な関わりを持つ場面が増えています。

 税務署では大規模な法人以外の税務調査などを行うとともに、納税者の窓口として機能しています。感覚的には、殆どの場合税務署が税に関する役所というイメージです。

 

 国税庁レポートから、今回は税収の話と、税務署の組織についてご紹介しました。

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