税務最新情報

2021年08月20日号 (第406)

相続税税務調査の実態

 みなさん、こんにちは、オリンピックがとりあえず終了したものの、新型コロナウイルスに関する状況は悪い方向へ進んでいます。ただ、緊急事態宣言を繰り返すのではなく、規制の内容を変更しないと、効果が期待できないのではないかと感じてしまいます。

 さて、今回は週刊税務通信の3,655号に資産税調査の実態に迫るという記事があったので、記事の内容というよりは、記事から読み取れる事実についてご紹介していきます。

税務調査が行われる割合

 相続税の申告をした際に、税理士同士の会話でも調査がよくあるという話をする人もいれば、ほとんど調査はないという話をする人もいます。このあたりについても、実際の数字を読み解くと明らかになります。

 税務通信の記事によると、令和元事務年度における相続税が発生した件数が204,624件で、その内実地調査が行われた件数が10,625件となっています。トータルで見ると、5%強と言ったところで、20件に1件程度しか実地調査が行われていないようです。実地調査に、机上調査や行政指導を含めた件数は12,500件となり、それでも6%強程度です。

 実地調査は、相続人宅に税務署の職員が訪問して行われる調査です。机上調査は税務署内で書類のチェックを行い間違いがあれば、修正申告を促すなり、更正処分をする場合です。行政指導は明らかな記載や計算誤りについて税務署から納税者に連絡して自主的に修正申告をするように指導するケースです。

ボリューム別の調査割合

 5%強と言うと、かなり実地調査の割合が低く感じますが、相続財産の課税価格別に実地調査の割合を計算してみると下記のようになります。

相続財産課税価格

5千万円未満 1億円未満 3億円未満 5億円未満 7億円未満 7億円以上
調査割合 0.2% 2.2% 13.6% 30.4% 33.6% 38.7%

 ボリューム別に実地調査の割合を見ると、非常に顕著な結果となります。相続財産の課税価格が大きければ大きいほど、実地調査の割合が高いことになります。税理士同士の会話で、話が噛み合わない状況が生じるのは、相続税の申告の規模の差によると思われます。

 ちなみに、調査が行われた場合に修正申告や更正決定が必要となるケースは80%以上となっており、調査が行われれば大部分は間違いが発見されているようです。

税務調査の日数

 納税者の気持ちを考えると税務調査が始まって、結論がなかなかでないのはとてもストレスを感じます。実際に税務調査がどのくらいの日数を要するのかについては、相続税の課税価格が1億円未満の場合は11.2日、5億円未満の場合は13日、5億円以上の場合は22日と紹介されていました。ただし、この日数については、実際に相続人の自宅に訪問する日数は1日あるいは2日間というケースが多いので、税務署の職員がその案件に携わる日数という意味なのかもしれません。

 データの詳細は不明ですが、傾向として、課税価格が大きいほど日数が長くなることが伺えます。

銀行口座の調査は行われているのか?

 相続人の方は、銀行も調べられるのか?とよく疑問をもたれますが、今回の記事によると、多くの場合は銀行調査が行われているようです。

 具体的には、相続税の課税価格が1億円未満の場合は75.1%、5億円未満の場合は80.6%、5億円以上の場合は89.1%と紹介されていますから、税務署が来る場合は、ほぼ銀行の内容は確認済みと考えるべきでしょう。

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