税務最新情報

2025年10月01日号 (第553)

令和6年度租税滞納状況とその対応

 みなさん、こんにちは。8月に国税庁が、「令和6年度租税滞納状況の概要」を公表したので、今回はそれを題材にします。

滞納状況の概要

 令和6年度の租税滞納状況は下記のとおりです。

 新規発生が124.1%なので増加が顕著ですが、整理済額も123.7%と増加し、整理中のものが104.7%と微妙に増加といった状況です。

 また、平成元年からの滞納発生額については、下記のとおりです。

 滞納額のピークは平成4年度、バブル崩壊の頃でしょうか。当時は、所得税と法人税の滞納が多かったことが読み取れます。平成9年度から消費税の滞納額が増加し、高いウエイトを占めるようになっています。これは、平成9年に消費税率が3%から5%に引き上げられたことも一因と思われます。その後、滞納額は減少傾向にありましたが、コロナ禍前後から増加に転じ、現在も増加中という流れになります。

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf

滞納に対する対応

 多くの納税者は、滞納があっても分割払いなどの方法により自主的に納税します。しかし、自主的に納税されない場合などには、訴訟の提起などによって滞納整理が行われます。令和6年度には、国税側が147件の訴訟を提起しています。

 一昔前の小説などでは、海外へ財産を移転するなどで税金を逃れるという話がありました。現在は租税条約に基づく徴収共助の要請によって、外国の税務当局の協力によって差押えや取り立てが行われています。

 また、財産の隠蔽等の悪質な事例については、国税徴収法違反により告発するなどの対応がなされています。

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