東法連ニュース

第2023年(令和5年)7月号 第436号

東法連の令和6年度税制改正要望まとまる
法人実効税率 23 ・5%程度まで 引き下げ求める【東法連税制税務委員会】

 東法連は6月15日、銀座アスター新お茶の水賓館で第1回税制税務委員会(青栁晴久委員長・四谷法人会会長)を開催し、「たたき台」などを活用しまとめた東法連令和6年度税制改正要望を原案どおり承認した。

 法人税では、「法人実効税率は、平成30年度に29・74%になったが、米国の法人税が35%から21%に引き下げられ、連邦実効税率が25・77%となっており、世界的なトレンドとして法人税は低下傾向にある。日本は未だに諸外国と比較して高い水準にあり、国際競争力の強化等の観点から法人税の実効税率をOECD加盟国の平均(23・5%)程度まで引き下げるよう求める。」としている。

 中小企業軽減税率に関しては、「中小企業者等の法人税率の特例が、令和6年度末(令和7年3月末)まで延長された。我が国経済の成長の源であり、地域経済や雇用に大きな役割を担っている中小企業の成長を後押しするためにも、租税特別措置による中小企業軽減税率については引き続き本則化することを求める。また、昭和56年以来、課税所得800万円以下に据え置かれている中小企業軽減税率の適用所得金額について、1600万円への大幅な引上げを求める。」としている。

 消費税に関する適格請求書等保存方式(インボイス制度)については、「コロナ禍の影響を受けている飲食、小売事業者ほど、コスト増や事務負担を強いられる傾向にあるため、小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置等の周知徹底、恒久化も検討すべきである。」としている。

税制改正要望とりまとめに活用された「たたき台」
令和5年度改正要望(左) 令和6年度改正要望案(右)

税制改正に関する提言の作成に向け作業が本格化

 全法連では、税制常任委員会で提言内容について議論を重ねており、7月5日までに計5回の開催を予定している。また、7月19日には第1回税制委員会(飯野光彦委員長・東法連副会長・北沢法人会会長)を開催する予定で、令和6年度税制改正に関する提言の作成に向けた作業が本格化してくる。

 今後、アンケート結果、県連要望などを踏まえ、8月21日の起草検討会、9月5日の税制委員会を経て、9月19日の全法連理事会で「令和6年度税制改正に関する提言」が正式決定する。

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