東法連ニュース

第2016年(平成28年)10月号 第368号

平成29年度税制改正の提言まとまる
実現を目指して積極的な要望活動を展開

 法人会の平成29年度税制改正に関する提言が、9月23日に開催された全法連理事会で承認された。東法連では、9月27日開催の理事会で報告するとともに、実現を目指して東法連、単位会とも積極的な要望活動を展開していくことが承認された。

税制改正提言の報告を受ける東法連理事会

 提言では、「基本的な課題」として「Ⅰ税・財政改革のあり方」で、1.財政健全化に向けてと題し、「財政健全化は国家的課題であり、歳出、歳入の一体的改革によって進めることが重要である。歳入では安易に税の自然増収を前提とすることなく、また歳出については、聖域を設けずに分野別の具体的な削減の方策と工程表を明示し、着実に改革を実行するよう求める。」などとしている。
 また、2.社会保障制度に関する基本的考え方では、「持続可能な社会保障制度の構築は喫緊の課題であ
り、『給付』を『重点化・効率化』によって可能な限り抑制するとともに、適正な『負担』を確保する必要がある。」などとしている。

◆消費税の軽減税率は問題多く
   10%までは単一税率が望ましい

 消費税引き上げに伴う対応措置では、「軽減税率は事業者の事務負担、税制の簡素化、税務執行コストおよび税収確保などの観点から問題が多く、税率10%程度までは単一税率が望ましい。」としている。
 また、税率引き上げに向けては、「現在施行されている消費税転嫁対策特別措置法の効果等を検証し、中小企業が適正に価格転嫁できるよう、さらに実効性の高い対策をとるべきである。」などとしている。

◆法人実効税率の更なる引き下げも
   視野に入れる必要がある

 「Ⅱ経済活性化と中小企業対策」では、法人実効税率について、「OECD加盟国やアジア主要国と比較すると依然として税率格差が残っている。当面は今般の法人実効税率引き下げの効果等を確認しつつ、将来はさらなる引き下げも視野に入れる必要がある。」としている。
 また、中小企業の活性化に資する税制措置では、「中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置ではなく、本則化する。また、800万円以下に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少なくとも600万円程度に引き上げる。」ことを求めている。
 事業承継税制の拡充では、⑴事業用資産を一般資産と切り離した本格的な事業承継税制の創設⑵相続税、
贈与税の納税猶予制度について要件緩和と充実⑶親族外への事業承継に対する措置の充実⑷取引相場のない株式の評価の見直しを求めている。
 なお、提言全文は、全法連ホームページに掲載されている。

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