東法連ニュース

第2015年(平成27年)10月号 第356号

平成28年度税制改正に関する提言まとまる

 法人会の平成28年度税制改正に関する提言が、9月16日に開催された全法連理事会で承認された。東法連では、10月5日の理事会で報告されるとともに、実現を目指して東法連、各単位会とも積極的な要望活動を展開していくことが承認された。
 提言では、「基本的な課題」として「Ⅰ税・財政改革のあり方」では、
1.財政健全化に向けてと題し、「財政健全化は歳出、歳入の一体的改革によって進めることが重要である。歳入では安易に税の自然増収を前提とすることなく、また歳出は聖域を設けず具体的削減の方策と工程表を明示し着実に実行すべきである。」としている。
 また、2.社会保障制度に関する基本的な考え方では、「持続可能な社会保障制度を構築するには、適正な負担を確保するとともに給付を重点化・効率化によって可能な限り抑制することである。」とし、年金、医療、少子化対策に言及している。

税制改正に関する提言の報告を受ける東法連理事会

税制改正に関する提言の報告を受ける東法連理事会

 

消費税の軽減税率は問題当面単一税率が望ましい
 消費税引き上げに伴う措置では、「消費税率10%への引き上げにあたっては、景気動向も十分注視する必要がある。」とし、「軽減税率は事業者の事務負担、税制の簡素化、税務執行コストおよび税収確保などの観点から問題が多く、当面(税率10%程度までは)は単一税率が望ましい。」としている。また、「さらなる引き上げに対応するため、消費税転嫁対策特別措置法の効果等を検証し、中小企業が適正に価格転嫁できるよう、さらに実効性の高い対策をとるべきである。」としている。

法人実効税率20%台の早期実現を求める
「Ⅱ経済活性化と中小企業対策」では、法人税率の引き下げについて、「我が国の立地条件や国際競争力強化などの観点から、早期に欧州、アジア主要国並みの20%台の法人実効税率を実現する。」とともに、「代替財源として課税ベースを拡大するに当たっては、中小企業に十分配慮すべきである。」としている。
 また、「中小企業の活性化に資する税制措置」では、「中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置ではなく、本則化する。また、800万円以下に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少なくとも1,600万円程度に引き上げる。」ことを求めている。
 事業承継税制の拡充では、「相続税及び贈与税の納税猶予制度」について要件緩和と充実として、①株式総数上限(3分の2)の撤廃と相続税の納税猶予割合(80%)を100%に引き上げ②5年経過時点で納税猶予を免除③対象会社規模の拡大をそれぞれ求めている。また、事業用資産を一般財産と切り離した本格的な事業承継税制の創設を求めている。
なお、提言全文は、全法連ホームページに掲載されている。

月別バックナンバー

ページの先頭へ