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2015年10月01日号 (第272)

予定納税に関する注意点

 みなさん、こんにちは、シルバーウイークは過ごしやすい秋晴れが続きました、いかがお過ごしでしたでしょうか。ショッ ピングセンターなどでは、休日は稼ぎどきですから、小売業の方は、逆に忙しい時期だったでしょうか。我々の仕事も、カレンダーでは祝日でも、やらなければいけない仕事が少なくなるわけではなく、訪問しなければいけない日程が減るわけでもな く、むしろ日程的には忙しくなってしまうなど微妙な影響がでます。
 さて、今回は、法人地方税の予定納税についての、注意喚起です。

法人地方税の予定納税については注意が必要

 お客さんの法人税、消費税、法人地方税などの予定納税の納付書の作成を行うことがあります。基本的には、国税である法人税や消費税は、予定納税の納付書に金額が印字済みなので、間違うことはありません。一方で、法人地方税の予定納税については、金額が印字した状態で納付書が届く場合もあれば、金額の印字がない納付書のケースもあり、地方自治体によって、全く異なる状況です。
 金額の印字がない場合ですが、通常は概ね前年の2分の1となるので、それほど間違いも多くはないのですが、平成26年10月1日以後に開始する最初の事業年度または連結事業年度の予定申告についての予定納税は、以前にご紹介した地方法人
税の創設の影響で、単純に前年の金額の2分の1ということにはならないので、注意が必要です。
 なお、地方法人税については、こちらを、ご参照ください。

予定納税の額の計算方法

 平成26年10月1日以後に開始する最初の事業年度または連結事業年度の予定申告について、具体的な法人地方税の予定納税の額の計算方法は、下記のとおりとなります。

法人事業税
前事業年度の法人事業税額÷前事業年度の月数×7.5
地方法人特別税
前事業年度の地方法人特別税÷前事業年度の月数×4
都道府県民税法人税割額
前事業年度の都道府県民税法人税割額×3.8÷前事業年度の月数
市町村民税法人税割額
前事業年度の市町村民税法人税割×4.7÷前事業年度の月数


 ちなみに、均等割額については、従来通り、全事業年度の概ね2分の1の金額となります。

日常的な予定納税の計算の際の注意点

 予定納税のお話をしたついでに、予定納税の計算で間違いやすい取り扱いについてご紹介します。上記で概ね2分の1という書き方をさせていただいたのは、ちょうど2分の1にならないケースがあるからです。上記の計算式で、「割って掛ける」計算式と「掛けて割る」計算式と二パターンの種類があった点にお気づきでしょうか。例えば、昨年の税額が444,400円だった場合に、単純に2分の1であれば、222,200円となります。ところが、「割って掛ける」計算をすると下記のようになります。

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 このように割り切れない数字になるのですが、税額の計算は100円未満切り捨てとなるので、222,100円となります。つまり、単純に2分の1で計算した場合と、計算結果が異なるケースが出てくるのです。ちなみに、前年の税額が10万円の場合でも、50万円の場合でも、上記の計算式に当てはめると、2分の1の金額にはなりません。意外と、よくあるパターンなので気にしておく必要があります。
 逆に、「掛けて割る」パターンの場合は、2分の1の金額となります。

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 実務では、「掛けて割る」パターンの方が少数派で、予定納税で間違いやすい事例です。国税である法人税や消費税も「割って掛ける」計算式となります。単純に2分の1で計算して、100円多く支払ってしまうという間違いはありがちですので注意が必要です。

 

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