東法連ニュース

第2017年(平成29年)10月号 第380号

平成30年度税制改正に関する提言まとめる

あいさつする 小林栄三会長

 法人会の平成30年度税制改正に関する提言が、9月21日の全法連理事会で承認された。東法連では、9月11日開催の理事会で原案を説明するとともに、10月の全国大会以降、実現を目指して東法連、各単位会とも積極的な要望活動を展開していくことが承認された。

 提言では、「基本的な課題」として「Ⅰ税・財政改革のあり方」で、1.財政健全化に向けてと題し、「財政健全化は国家的課題であり、歳出、歳入の一体的改革によって進めることが重要である。歳入では安易に税の自然増収を前提とすることなく、また歳出については、聖域を設けずに分野別の具体的な削減の方策と工程表を明示し、着実に改革を実行するよう求める。」としている。

 また、2.社会保障制度に関する基本的な考え方では、「団塊の世代すべてが後期高齢者となる『2025年問題』がクローズアップされるように、医療と介護の給付急増が見込まれる。これを『重点化・効率化』によって可能な限り抑制し、かつ適正な『負担』を確保していかなければ、社会保障が立ち行かなくなる。」としている。

◆消費税の軽減税率は問題多く 10%までは単一税率が望ましい

 消費税引き上げに伴う措置では、「税率10%程度までは単一税率が望ましい。軽減税率は事業者の事務負担が大きく、税制の簡素化、税務執行コスト、税収確保などの観点から極めて問題が多い。」としている。

 また、税率引き上げに向けては、「現在施行されている『消費税転嫁対策特別措置法』の効果等を検証し、中小企業が適正に価格転嫁できるよう、さらに実効性の高い対策をとるべきである。」としている。

◆法人実効税率の更なる引き下げも 視野に入れる必要がある

 「Ⅱ経済活性化と中小企業対策」では、法人実効税率について、「OECD加盟国やアジア主要国と比較すると我が国の税率水準は依然として高い。今般の税率引き下げの効果等を確認しつつ、国際競争力などの観点からさらなる引き下げも視野に入れる必要がある。」としている。

 また、中小企業の活性化に資する税制措置では、「中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置ではなく、本則化する。また、800万円以下に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少なくとも1,600万円程度に引き上げる。」ことを求めている。

 事業承継税制の拡充では、「中小企業が相続税の負担等により事業が継続できなければ、我が国経済社会の根幹が揺らぐ。先般、納税猶予制度の改正で要件緩和や手続きの簡素化がなされたが、さらに抜本的な見直しが必要である。」としている。

 なお、提言全文は、全法連ホームページに掲載されている。

税制改正要望の報告を受ける東法連理事会

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