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2024年01月22日号 (第493)

令和6年度税制改正大綱 所得税③ 住宅ローン減税の改正

 今年の年始は例年に比べ、幾分ゆっくりスタートという感じで、ようやく街に人が増えてきました。私が勤め始めたころは大晦日まで銀行が営業していて、週休二日制の会社も少数派だったので、昔に比べて勤務日数がずいぶん少なくなりました。

 今回は令和6年度税制改正大綱から、住宅ローン減税に関して紹介します。

子育て特例対象個人

 住宅ローン減税の話なのですが「子育て特例対象個人」という用語が令和6年度税制改正大綱で新たに登場しました。具体的には下記のとおりです。

① 年齢40 歳未満であって配偶者を有する者
② 年齢40 歳以上であって年齢40 歳未満の配偶者を有する者
③ 年齢40 歳以上であって年齢19 歳未満の扶養親族を有する者

 趣旨としては少子化対策です。結婚していれば優遇、子供がいれば優遇ということなのですが、具体的には住宅ローン減税の借入限度額が上乗せされる、あるいは子育てに対応したリフォームに対して税額控除制度を設けるなどの取扱いとなります。

住宅ローン減税の借入限度額

 認定住宅等を取得し、令和6年中に居住の用に供した場合の借入限度額は以下のとおりとなります。

子育て特例対象個人 その他
認定住宅 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円

 借入限度額は大きくなっていますが、5,000万円あるいは4,500万円の借入金は、なかなか普通の人ではローンが組みにくい金額です。さらに住宅ローン減税は、13年間にわたって控除を受けられることを考えると、13年後に借入金残高が5,000万円残っていないと、フルに控除限度額を利用できないことになります。目いっぱい限度額を活用できる人は、かなり少数派ではないでしょうか。

 さらに今年の大綱をみて気になったのは、新築の一般住宅の場合は、住宅ローン減税が受けられなくなる点です。令和5年までは3,000万円の借入限度額の枠があったのですが、令和6年からは一般住宅の新築についてはローン減税が受けられなくなります。

 中古住宅については、一般住宅の場合でも2,000万円の控除限度額が残っているのですが、新築で一般住宅の枠を無くしてしまうのは、中小企業に勤めるサラリーマンには痛手ですし、町の工務店にとっても認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅は扱いが少ない為、やはり痛手ということになります。

床面積40平米以上とする緩和措置

 床面積の要件を40平米以上とする措置については、令和6年12月31日以前に建築確認済みの新築住宅についてローン減税の適用が受けられるよう、1年間緩和措置が延長されます。

既存住宅のリフォームに係る税額控除

 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の特別控除に、子育て特例対象個人が所有する居住用の家屋について、一定の子育て対応改修工事をし、令和6年4月から12月までの間に居住の用に供した場合、新たに適用対象として追加されます。

 子育て対応改修工事とは、以下の内容となります。

① 住宅内における子どもの事故を防止するための工事
② 対面式キッチンへの交換工事
③ 開口部の防犯性を高める工事
④ 収納設備を増設する工事
⑤ 開口部・界壁・床の防音性を高める工事
⑥ 一定の間取り変更工事

 子育て対応改修工事に係る標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%に相当する金額が、控除額となります。所得制限は、合計所得金額が2,000万円以下である者となります。

 なお、従来の既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の特別控除については、適用対象者の合計所得金額要件を2,000万円以下に引き下げ、その適用期限を2年間延長します。

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