税務最新情報

2023年10月02日号 (第482)

インボイス制度始まる!

 みなさん、こんにちは。インボイス制度が始まりました。国税庁から新しいQ&Aが公表され、導入直前に閣僚級会議が行われるなど、非常に慌ただしい動きでした。

9月15日に公表されたETCに関する取扱い

 国税庁Q&Aが9月15日に更新され、高速道路利用料金に係る適格簡易請求書の保存方法というQ&Aが追加されました。ETC利用の場合、高速道路の出入りにゲートを通ると、後日クレジット会社から利用明細が届くというのが通常の流れで、インボイスを受け取る場面がありませんでした。これについては、下記のような取扱いでした。

 原則、通行料金確定後、高速道路会社が運営するホームページ(ETC利用照会サービス)から適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録(以下「利用明細書」といいます。)をダウンロードし、それを保存する必要があります。

 今回のQ&Aでは、下記のような取扱いが設けられました。

 高速道路の利用が多頻度にわたるなどの事情により、全ての高速道路の利用に係る利用証明書の保存が困難なときは、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書(個々の高速道路の利用に係る内容が判明するものに限ります。また、取引年月日や取引の内容、課税資産の譲渡等に係る対価の額が分かる利用明細データ等を含みます。)と、利用した高速道路会社及び地方道路公社など(以下「高速道路会社等」といいます。)の任意の一取引(複数の高速道路会社等の利用がある場合、高速道路会社等ごとに任意の一取引)に係る利用証明書をダウンロードし、併せて保存することで、仕入税額控除を行って差し支えありません。

 簡単に言えば、毎回必要とされた利用明細書のダウンロードを、一回だけすればOKという取扱いです。高速道路に関しては、利用頻度が高く、また事業者が免税事業者になる可能性も限りなく低いこと、利用者がパソコンを利用していないケースなども想定されるため、特別な取り扱いを認めたようです。

インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議

 インボイス制度に関して、閣僚級会議を設けると報道されていましたが、第1回目の会議が9月29日に開催されました。公表されている事例からは、具体的な新しい施策は読み取れませんでしたが、下記のような内容が公表されています。

 中小企業・小規模事業者は我が国経済にとって重要な役割を担っており、安心して事業に従事していただくための環境を整備していくことが大事です。このため事業者の立場に立って、税務執行上柔軟かつ丁寧に対応していくとともに、事業者の悩みを的確に把握し、きめ細かく取り組んでいく。

 実際は、来年度の税制改正大綱を見てみないと明らかにはなりませんが、中小企業向けの対応を重視することがわかり、「2割特例」や「少額特例」などの中小企業向けの経過措置について、期限の延長などがあり得るかもしれません。

 

 いずれにしても、今回のETC問題は以前から質問が多かった分野ですが、その他にも未解決な問題が山積している状態です。今後も新しい情報に注意していきましょう。

 また免税事業者の方で新たに登録が必要な場合は、10月1日に間に合わなくても、登録事業者申請で随時登録が可能となっています。取引先との関係で必要性が生じた場合、これからでも遅くはないので、登録を検討してみてください。

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