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2023年08月21日号 (第478)

インボイス可能な限り簡単に解説 1

 みなさん、こんにちは。夏休みはとれましたか。今年はお盆前に山の日の連休があり、例年より夏休みが少しだけ前倒しになった雰囲気でした。

 最近、クライアントへ訪問するとインボイスの質問が再燃してきています。以前は「インボイスの登録をするかしないか。」あるいは「取引先からインボイスの番号を尋ねられた」などの話でしたが、最近は「具体的に何をすればよいのか?」という質問が増えてきています。

インボイス制度が始まってやらなければいけないこと

 すでにインボイス登録済みのクライアントを訪問した際「インボイス制度が始まるけれど、特に会社では何もしなくてよいのですよね。先生の方に任せておけば大丈夫ですよね。」と言われてしまうことがあります。

 多くの税制改正がありますが、大部分は税理士任せで、会社側でしなければいけないことは、それほど多くありませんでした。過去の例でいえば、消費税の税率が上がった際、レジの税率設定を改める、あるいは価格表を改定したり、などでしょうか。

 今回のインボイス制度の導入により、取引先に「インボイスを交付する」必要があります。また「インボイスの控えを会社に保存しておく」必要があります。

具体的にインボイスって何だろう

 インボイスについては法律を基にした解説は多いのですが、一般の人が腑に落ちるような説明がされていない側面があります。法律の要件を気にすると、どうしても難しい説明になりがちです。

 そもそも「インボイスとは何」という話ですが、簡単に説明すると、請求書を発行する取引であれば「請求書がインボイスになる」ケースが多く、小売店や飲食店のように、その場で決済される取引であれば「レシートや領収書がインボイスになる」ケースが多いと思われます。納品書や契約書など、他の書類がインボイスになるケースもありますが、実務の99%は、請求書、レシート、領収書がインボイスになると言っても過言ではありません。

今までと何を変更する必要があるのか

 請求書、レシート、領収書がインボイスになるとした場合、変更が必要なのでしょうか。消費税額の記載や税率の記載など細かな部分はさておき、ほとんどのケースでは「登録事業者番号」を記載するだけで、そのままインボイスになります。

 請求書の発行システムを利用している場合、登録番号を印字できるようになると思いますし、レシートの場合も登録番号の印字ができるようになるはずです。手書きの領収書の場合も、市販されている新しい様式の領収書では、登録番号の記載欄が設けられています。つまり「インボイスの交付」に関しては、従来の請求書、レシート、領収書に登録番号を記載することでOKということになります。

 なお、交付したインボイスについては保存義務が生じますから、手書きの領収書の交付を行う場合、複写式のものを利用するなどの工夫が必要です。また、レジで印刷されるレシートを交付するような場合、レジロールの控えが残るようなレジを利用する必要があります。

 

 細かい要件はさておき、実務の目線で簡単に説明すると、請求書、領収書、レシートに登録番号を記載することと、その控えを残すだけですから、ひと手間というところです。現場での実務対応としては、それほど難しい話ではありません。

 

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