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2023年06月01日号 (第470)

納付書が届かない!

 みなさん、こんにちは。6月になってしまいました。今年の梅雨入りはいつからなのか気になるところです。この時期は外出することが多く、雨が続くと濡れた傘を持ち歩いたり靴下が濡れたりと、微妙に嫌な季節です。

 さて今回は、クライアントとの会話で時々出てくる納付書が届かない問題です。

法人税の納付書が届かない?

 コロナ禍で、銀行には予約しないと行けないなどの問題が生じて、毎月必要な源泉税の納付にダイレクト納付を利用される方が増えました。決算を迎えて、「法人税や消費税の納付書が届かないのですが」との問い合わせも増えましたが、一度ダイレクト納付を利用してしまうと、その後は納付書が送付されてこなくなるのです。

https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/yokuaru01/08.htm

 法人税や消費税についてもダイレクト納付を利用するのがスマートなのですが、社内の業務フローの関係から、紙で納付したいとのニーズもあります。紙の納付書が必要な場合は、最寄りの税務署で納付書をもらってくる必要があります。

 なお、令和6年5月以降はe-Taxを利用している法人への納付書の送付は取りやめる、とアナウンスされていますので、お気を付けください。

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/oshirase.htm

ダイレクト納付の手続き

 e-Taxの手続をしただけでは、ダイレクト納付は利用できません。ダイレクト納付を利用したい場合は「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要となります。ダイレクト納付の手続には、銀行印を押印した届出書の提出が必要で、法人の場合は書面での提出となります。また、実際に納付する1か月前までに提出が必要なので、すぐに利用ができるわけでない点、注意が必要です。

 e-Taxを利用している場合、下記を参照してダイレクト納付の手続が可能です。

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/

 なおダイレクト納付は納付書なしで、会社に居ながら納付手続きができるという意味で非常に便利です。一方で、先にも書きましたが納付書が届かなくなるので、紙での納付を継続したい場合は、納付書をもらいに行く手間が増えてしまいます。

eLTAXのダイレクト納付

 国税だけではなく、地方税についてもダイレクト納付が可能です。この場合もダイレクト納付用の口座を登録し、銀行印を押印の上、金融機関への提出が必要となります。実際に私が利用開始しようとした場合には、記載の訂正が必要で思いのほか時間がかかりました。地方税でもダイレクト納付を利用する場合は、早めに準備しましょう。具体的には下記をご参照ください。

https://www.eltax.lta.go.jp/news/03420

 実務的な視点では、eLTAXの利用はかなり増えています。そもそも、eLTAXを利用している大法人には、申告書と納付書を送付しない自治体が増えています。また住民税を特別徴収して納付する場合、自治体によっては手数料がかかります。従業員が多く、全国の自治体へ納付する場合は、手数料の節約という視点でも意味があります。

 しかし国税と違い自治体が20か所あれば、20か所分の納付情報を作成する必要があるので、それなりの手間がかかってしまいます。送付された納付書を金融機関に持ち込むのと比較して、圧倒的に便利とも言い難く、手数料の負担との兼ね合いとなります。

 

 時代の流れからすれば、ダイレクト納付に移行していくことになると思われますが、現在は過渡期という雰囲気で、一長一短な部分がありますが、先を見据えると移行していくべき時期なのでしょう。

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