税務最新情報

2022年07月01日号 (第437)

実務目線で見たインボイス制度の問題点7

 みなさん、こんにちは、選挙の街宣がにぎやかな時期です。税に関する法律を定めるのは国会、そしてその国会議員を選ぶのが選挙です。選挙と税金、とても深い関係があります。自分の投票で、将来の税法に影響を与えていきましょう。

 さて、今回もインボイス制度の実務的な問題点です。

適格請求書発行事業者でないものからの購入

 前回は、宅建業者が中古の不動産を買い取る場合、中古車販売店が中古の自動車を買い取る場合、「適格請求書発行事業者でない者から」の購入なら、インボイスがなくても仕入税額控除が受けられる点をご紹介しました。

 インボイス導入後の実務としては、宅建業者や古物商などは、相手が適格請求書発行事業者なのか否かを確認する必要があります。そして、相手が適格請求書発行事業者である場合は、インボイスを交付して貰う必要があります。

 このあたりは想像ですが、買取金額が不明な状態では、売り手側はインボイスを用意してこないことが想定されます。そこで、買い手側である宅建業や古物商が、インボイスの要件を満たす用紙を用意しておいて、相手に記載してもらうなどの実務が必要になると思います。

家事共用資産の譲渡

 法人の資産の譲渡は、非課税資産の譲渡でない限り消費税の課税対象となります。個人事業者の場合は、家事資産の譲渡であれば消費税の対象となりません。一方で、事業用資産の譲渡であれば消費税の課税の対象となります。そして、実際には家事でも使用し、事業でも用いるケースがあります。それについて、下記のような通達があります。

10-1-19(家事共用資産の譲渡)

 個人事業者が、事業と家事の用途に共通して使用するものとして取得した資産を譲渡した場合には、その譲渡に係る金額を事業としての部分と家事使用に係る部分とに合理的に区分するものとする。この場合においては、当該事業としての部分に係る対価の額が資産の譲渡等の対価の額となる。

 合理的に区分して、事業用部分については、消費税の課税対象となるという取扱いです。個人事業者である適格請求書発行事業者からの、中古車両の購入、住宅の購入の場合には、インボイスが必要となります。

 個人事業者の場合は、車両や住宅について100%事業に供している場合も、一部のみ事業に供している場合もあります。所得税の確定申告書の決算書では、減価償却費について事業供用割合部分だけを必要経費として記載しています。

 上記を踏まえると、まず第一段階で、適格請求書発行事業者からの購入であるか否かの確認をして、第二段階で相手が個人事業者の場合は譲渡代金のうち課税の対象となる部分を確認する必要が生じます。そして、その課税対象となる部分についてインボイスが必要となります。

 買い取る側は、仕入税額控除の要件にかかわるので、中古車や建物など金額が大きい場合は、税額に大きく影響します。煩雑ではありますが、注意が必要な部分です。

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