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2022年04月20日号 (第430)

免税事業者が令和5年10月から登録事業者になる場合の注意点

 みなさん、こんにちは、早いものでゴールデンウイークが近づいてきました。3月決算の法人が多く、経理担当者からすると忙しい時期なのですが、ゴールデンウイークで仕事が中断してしまうなど、ちょっと微妙な時期です。
 今回は、免税事業者が令和5年10月1日から適格請求書発行事業者になる場合の注意点をご紹介します。

登録事業者となる日

 前回、適格請求書発行事業者の登録申請書についてご紹介しましたが、免税事業者の場合は、令和5年10月1日から登録事業者になるか、あるいは、令和5年10月から令和6年3月31日までの間の事業年度の開始の日から登録事業者になるかを選び、チェックマークをいれる様式になっています。

 普通であれば、免税事業者が敢えて適格請求書発行事業者としての登録を行うのだから令和5年10月1日からを選択すると思われがちですが、特殊な事情が生じます。

 元々が、課税事業者であれば9月30日までも、10月1日以後も課税事業者ですし、何ら問題が生じません。ところが、免税事業者が、令和5年10月1日から登録事業者になるということは、9月30日までは免税事業者で、10月1日からは課税事業者になり同じ事業年度の中で消費税の課税方式が切り替わるということになります。

同一事業年度の中での消費税の取扱いの変更

 一般的には、課税事業者になる、あるいは、免税事業者になるのは、事業年度が変わるタイミングです。ところが、免税事業者が令和5年10月1日から適格請求書登録事業者となる場合には、大部分の事業者は期の途中で消費税の取扱いが変更になります。

 会計ソフトなどでは、課税期間の短縮などの影響を受け、事業年度の途中に課税事業者と免税事業者が切り替わるとか、簡易課税と原則課税が切り替わることは、稀にではありますが生じるので、利用する側が上手に対応すれば対応は可能です。ただ、元々免税事業者である規模の納税者が上手に対応というのが難しさがあります。

 具体的には、取引ごとの税区分です。普通は、事業年度ごとに課税事業者か免税事業者かを設定して、免税事業者であれば消費税に関する税区分そのものが入力できない仕様になっています。ところが、期の途中から課税事業者になるのであれば、課税事業者として初期設定をして、9月末までの取引は対象外、10月以降は消費税の区分を選択するような運用になります。通常は勘定科目ごとにデフォルトで税区分を設定するので、売上について課税と設定した場合は、9月までは対象外に訂正しながら処理を進めることになります。

 さらに、10月になって入金はしているけれど、9月の売上に対応する代金であれば、免税事業者の期間の売上ですから消費税の納税義務は生じないことになります。また、10月に支払っている買掛金でも、9月までの仕入に対応するのであれば、仕入税額控除の対象とならないなど、9月までに対応する収益費用なのか、10月以降の収益費用なのかを明確にする必要があります。

 通常決算のタイミングであれば、売掛金、買掛金、未払金などを整理しますので、決算前と決算後での入り繰りは生じません。令和5年10月1日が期の途中だとすると、9月末である程度数字を整理するなどの事務の負担が生じることになります。

 

 このような追加的な事務負担を避けたい場合は、令和5年10月1日からではなく、新しい事業年度から適格請求書登録事業者になるということも検討が必要となります。

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