税務最新情報

2022年03月01日号 (第425)

医療費のお知らせでは、完結しない医療費控除

 みなさん、こんにちは、ウクライナの情報が気になりますね。日本との貿易は直接的には大きなボリュームではないようですが、株価への影響など微妙にあるようです。そして、なによりも現代、大国が戦争をしてしまうのかなという怖さがあります。

 さて、今回は、確定申告シーズンなので、医療費控除の注意点です。

医療費のお知らせ

 協会けんぽや健康保険組合から、「医療費のお知らせ」なるものが届きます。そして、その裏面に「「医療費のお知らせ」は医療費控除の申告手続きに使用可能です。」との記載があります。細かい字まで読めば、令和3年10月分から令和3年12月分の医療費が記載されていないと書いてあります。

 このお知らせが届くようになって、医療費の領収書は捨ててしまったというお客さん、領収書無しでこの用紙だけで大丈夫と思われるお客さんなど、誤解を招いています。

 医療費控除の対象になるのは1月1日から12月31日までの医療費ですが、このお知らせには9月分までしか記載されていません。

 現実的には、医療機関が翌月10日までに保険の請求をして、医療機関に振り込まれるのは翌々月というのが健康保険の実務です。物理的に、12月までの医療費の集計をして、それを確定申告を行う前に送付するということが無理があるのです。

マイナポータルとの連携

 マイナポータルで令和3年9月から12月分の医療費通知情報が、令和4年2月上旬に取得できているようなので、上記の郵送分のお知らせで不足する資料については、マイナポータルを利用すれば補える仕組みになっています。

 さらに、令和4年分については、マイナポータルで1年を通じた医療費通知情報が取得できる予定になっています。

 ただ、マイナポータルは自分で確定申告をする人にはマッチするのですが、確定申告を依頼する世代の人たちが情報を収集するには少しハードルが高いように感じます。10年後には確定申告の際にマイナポータルの情報を利用するのが標準になっている可能性はありますが、現時点では微妙な使い勝手です。そもそも、マイナポータルを利用するためには、マイナンバーカードを取得する必要がありますが、取得率が4割程度なので道半ばといったところです。

 ちなみに、令和3年10月からは、マイナンバーカードと健康保険証の一体化が始まっていますし、令和6年度末には運転免許証との一体化も予定されています。

もう一つの落とし穴

 医療費のお知らせは、あくまでも健康保険が適用されたものしか通知に記載されません。医療機関が請求したものが記載される仕組みですから、保険請求しないものは一切記載されません。

 歯科の自由診療、不妊治療、先進医療による治療などにかかる費用など、高額となる場合が多いですが、保険適用とならないものは、領収書を保存しておく必要があります。いずれにしても、「医療費のお知らせ」だけでは完結しないので気をつけましょう。

記事提供
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