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2021年06月21日号 (第400)

郵送による申告書の提出先

 緊急事態制限が解除されている頃でしょうか。原稿執筆時点では20日で解除との方向ですが、まん延防止措置は継続されるかもとのことです。オリンピックも含めてどうなるのでしょうね。

 さて、今回は郵送による申告の送付先の変更に関する件です。わりと、大きな変化ですが、注目されていないように感じます。

申告書を郵送する実務

 確定申告というと、税務署に提出しに行くイメージを持たれる方が一般的には多いと思います。自分の申告や、件数が少ない場合は持ち込みすることも考えられますが、税理士事務所などからすると、以前は郵送で申告書を提出することが定番でした。

 少し実務的な話をすると、税理士が税務署に申告書を郵送する際は、返信用の封筒と控えを入れて、書留などで送付します。税務署側では、受け取った申告書を確認して、控えと返信用封筒があれば、受領印を押印の上返信することになります。提出用と返信用を区分したり、返信の漏れがあっては大騒ぎになってしまいますから、たいへん気を遣うし、手間も時間も係る作業です。

 税理士事務所の場合は、最近は電子申告を利用することが多く郵送での提出はトータルのボリュームとしては、相当減っているという背景があったのかもしれません。ちなみに、税理士としても郵送の手間に比較すると電子申告がはるかに負担が軽いという状況です。

郵送による申告書の提出先の変更

 令和3年7月から、郵送による申告書の提出先が、所轄税務署から国税局の業務センター室に変更されるとのことです。ただ、この取扱いはいきなり全国でというわけではなく、順次このようなスタイルとしていくようです。

 7月以降郵送で申告を行う場合には、提出先に気をつける必要があります。もっとも、所轄税務署に送ったからいきなり無申告扱いになるということはないと思われます。また、税務署に持ち込む場合には、所轄税務署の窓口に提出するか、時間外収受箱への提出が可能です。

国税局の業務センター室で行われる業務

 従来は、所轄税務署で受け付けていた郵送による申告書について、業務センターで集約して処理するのは、申告書等の入力審査、還付金の返還手続、行政指導などです。以前から、源泉税についてセンターから問い合わせが来る仕組みでしたが、実地調査に至る以前の形式的な判断についてはセンターに集約させることが合理的と判断されたのだと思います。

 源泉税に関しては、センターから問い合わせがあって、単純に納付忘れなどは、センターへ回答する形でした。一方で、入り組んだ状況の場合は、所轄税務署へ問い合わせが必要であったり、納税者にとって利便性があるか否かは、なんとも言えないかなというイメージはあります。ただ、書類の確認、返信などの作業は、集約してしまったほうが合理的なことは想定できますし、電子申告が普及した現在では自然な流れなのでしょう。

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