税務最新情報

2021年05月20日号 (第397)

在宅勤務に係る費用負担などに関するFAQ ①

 みなさん、こんにちは、大型の商業施設などの営業は再開されたようですが、緊急事態宣言中です。

 今回は、国税庁が公表している在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQから興味深いものをご紹介していきます。このFAQの存在を知らないと実務が回らない部分もありますので、何度かにわけてご紹介していきます。

 なお、URLは下記のとおりです。

【国税庁】在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)

在宅勤務手当

 在宅勤務で必要な費用について、実費精算する場合は、給与課税はされませんが、在宅勤務手当として、返還不要で渡し切りで支給する場合は課税となります。

 例えば、在宅勤務に伴い仕事で利用した電気料を負担する場合などは、一律でいくらという支給扱いだと課税となります。一方で、電気料金から合理的な使用量を算定して、実費を精算するという形にすれば課税されないという結論になります。

 給与課税とされないためには、合理的に実費を計算して、それを精算する形が必要になります。

◆在宅勤務に係る事務用品等の支給

 在宅勤務にあたって、従業員にパソコンを支給した場合は、給与として課税されてしまいます。一方で貸与した場合には、課税関係が生じません。テレワーク用にパソコン等の購入はよくみかけますが、貸与形式にしないと源泉税の不足が生じることになるので注意が必要です。なお、パソコンのような高額なものでなくても、支給した場合は給与課税となるので意外な落とし穴になります。

◆精算方法

 僅かな経費でも渡し切りにしてしまうと、給与課税となってしまうので、実費の精算を行うことが重要となります。精算方法については、従業員がいったん立て替えておいて、領収書等と引き換えに精算する形か、一定の金額を仮払いしておいて、購入費用を超過していた場合には返金するなどの方法があります。

 これらの場合に、事務用品等については在宅勤務で利用するため会社には一度も持ち込まれないままに従業員が使用することになりますが、上に書いたように貸与という形態にしなければ給与課税されるので、精算の際に購入物品の貸与である旨の証明書類なども同時に作成するのが無難となります。

 さて、物品については、領収書等で金額が明確になりますが、電気代や水道光熱費、通信費などは、どのように実費を精算すればよいのでしょうか。FAQでは、業務のために使用した部分を合理的に計算し、その計算を企業に報告して精算するとしています。

 実務をしてると、合理的というのは、どう計算するのだろうと素朴に疑問に思いますが、FAQではその計算方法についても詳細に説明をしています。次回はその合理的な計算について、ご紹介していきます。

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