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2021年03月01日号 (第389)

令和3年度税制改正 相続税・贈与税関係

 みなさん、こんにちは、確定申告シーズンです。昨年に引き続き、所得税、贈与税、個人事業者の消費税の申告・納期限が4月15日(木)まで、延長されました。振替納税を利用されている方は、所得税は5月31日、消費税は5月24日に引き落としとなります。

 さて、今回は、令和3年度税制改正の中で、相続税・贈与税関係の内容について、ご紹介していきます。

◆国際金融都市に向けた税制上の措置

 国内に短期的に居住する在留資格を有する者、国外に居住する外国人等が、相続開始の時又は贈与の時において国内に居住する在留資格を有する者から、相続・贈与により取得する国外財産には相続税又は贈与税を課さないこととされました。

 従来は、相続・贈与開始前15年以内の国内の居住期間が10年以下である場合には、国外財産が相続税・贈与税の対象から除外されていましたが、期間の縛りをなくしました。仕事で一時的に日本に来ている外国人が結果として、日本に長く居住していることで、国外の財産にまで相続税・贈与税が課税されることの弊害を防ぐための改正です。

◆住宅取得資金の贈与

 直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税措置について、令和3年4月1日から令和3年12月31日までに契約した場合は、現行と同額で据え置かれます。

省エネ・バリアフリー住宅 消費税率10% 1,500万円
省エネ・バリアフリー住宅 消費税率8%以下 1,000万円
上記以外の住宅 消費税率10% 1,000万円
上記以外の住宅 消費税率8%以下 500万円

 令和3年1月以降の贈与から適用されます。 受贈者が贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円以下の場合には、面積要件が緩和され40㎡以上となります。従来は50㎡以上240㎡以下としていた要件の、下限の引下げとなります。

◆教育資金の一括贈与制度

 教育資金の一括贈与について、適用期限を2年延長して令和5年3月31日までとしました。

 なお、贈与者死亡時に残額がある場合に、従来は贈与者の死亡前3年以内の贈与についてのみ相続税の対象とされていましたが、今回の改正で残額のすべてが相続税の対象となります。ただし、受贈者が、①23歳未満である場合、②学校等に在学している場合、③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合は、相続税の対象となりません。受贈者が孫・ひ孫の場合は2割加算の対象とされます。

 従来は、残額があっても相続財産に含めないので、相続税対策として非常に効果的に利用されてきたことへの対応です。改正後も、生まれたばかりの孫やひ孫への贈与であれば23歳未満である場合は、相続財産へ含めないこととなるので、極端なケース以外では依然として利用しやすい制度のように考えられます。

◆結婚・子育て資金の一括贈与制度

 結婚・子育て資金の一括贈与制度について、適用期間を2年延長して令和5年3月31日までとしました。

 なお、令和3年4月1日以後の贈与については、受贈者が孫・ひ孫の場合に2割加算の対象とされます。

 また、令和4年4月1日以後の贈与については、受贈者の年齢制限は20歳以上から18歳上に引き下げられます。

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