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2021年02月22日号 (第388)

令和3年度税制改正 消費税関係

 みなさん、こんにちは、東京は暖冬なのでしょうか。地方では大雪などのニュースが流れていて多少ギャップを感じます。

 さて、今回は、令和3年度税制改正で、消費税についての改正をご紹介していきます。

課税売上割合に準ずる割合の承認申請書の提出期日

 課税売上割合に準ずる割合を利用したい場合には、従来は承認申請書を提出して、課税期間の末日までに、税務署長の承認を受ける必要がありました。課税売上割合については、みなし承認ではなく、内容を審査した上で承認となるため、課税期間末日までに承認を受けるためには、ある程度余裕をみて承認申請を行うことが必要でした。具体的に何日前までに提出すればよいなどの情報があればよいのですが、実際に承認を行うための追加資料などが必要な場合などもあり具体的にいつまでに提出すればよいかはケースバイケースと不透明な状況でした。感覚的に2週間程度前に提出すれば、認めてもらえそうくらいの雰囲気はありましたが、不安を持ちながら仕事をしていました。

 令和3年度税制改正で、課税売上割合に準ずる割合を適用しようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、課税期間の末日の翌日以後1月を経過する日までに税務署長の承認を受けることで、承認申請書を提出した日の属する課税期間から、課税売上割合に準ずる割合が適用できることになりました。

 課税売上割合に準ずる割合については、臨時的に土地を売却した場合に利用するケースが多かったのですが、決算期末直前に土地の売却が決まるケースもありますし、物理的に承認申請ができないケースがありました。今回の改正で、課税期間の末日までに提出すれば承認申請が受けられる可能性がある点は納税者にとっては朗報です。もちろん、1月以内に税務署長の承認が受けられないケースもあるかもしれませんが、それは追加資料の提出にスムーズに応じないなど納税者側に問題があるケースなどで、改正の趣旨からは可能な限り1月以内に承認が下りることが想定されます。

 なお、この改正は令和3年4月1日以後終了する課税期間から適用されます。

◆電機ガス供給施設利用権の範囲

 調整対象固定資産である電気ガス供給施設利用権の範囲に、電気事業法の配電業者に対して電気供給施設を設けるために要する費用を負担して、電気供給施設を利用して電気の供給を受ける権利が加えられます。

◆産後ケア事業に関する取扱い

 令和元年11月に母子保健法が改正され、令和3年4月1日に母子保健法が改正され、産後ケア事業が法定化されます。この産後ケア事業について、社会福祉事業に類するものとして非課税として取扱われます。

◆20万円以下の国際郵便による輸出

 20万円以下の国際郵便で輸出をした場合に、輸出免税の適用を受けるためには、輸出したことを証明する書類として、日本郵便株式会社より交付を受けた郵便物の引受証及び発送伝票の控えの保存が必要となります。

 従来は、物品受領書等か帳簿のいずれかの保存で輸出免税の適用が可能でした。今回は帳簿だけの保存では輸出免税の適用を受けられないとする改正で、少額の輸出について要件が厳しくなっています。

 なお、令和3年10月1日以後に行われる資産の譲渡等について適用されます。

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