税務最新情報

2021年01月04日号 (第383)

法人税の改正①

 新しい年を迎えました。今年もよろしくお願いします。今年、最初の税務情報です。今回から、令和3年度税制改正の内容について、順次ご紹介していきます。

 令和3年度税制改正大綱で、やたらと目に着くのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)とカーボンニュートラルというキーワードです。そこで、今回はその2つの税制について、ご紹介していきます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制

 産業競争力強化法の改正を前提として、青色申告法人が産業競争力強化法の「事業適応計画」について認定を受けて、令和5年3月31日までの間に、事業適応計画に従って実施される事業適応の用に供するためのソフトウェアの新設・増設をし、又は事業適応実施のために必要なソフトウェアの利用に係る費用(繰延資産となるものに限る)の支出をした場合に以下の取り扱いとなります。

  1. 取得価額の30%の特別償却とその取得価額の3%
    (グループ外との連携の場合は5%)の税額控除との選択適用
  2. 繰延資産の額の30%の特別償却とその繰延資産の額の3%
    (グループ外との連携の場合は5%)の税額控除との選択適用

 税額控除における控除税額は、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除制度による控除税額と合計で当期の法人税額の20%が上限とされます。

 デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル化による変革というような趣旨で、上記の事業適応設備は、事業適応計画に従って、実施される事業適応のためのソフトウェア、事業適応を実施するために必要なソフトウェアとともに事業適応の用に供する機械装置及び器具備品をいいます。ただし、開発研究用資産は含みません。

カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

 産業競争力強化法の改正を前提に、青色申告法人が産業競争力強化法の「中長期環境適応計画」について認定を受けて、令和6年3月31日までの間に、中長期環境適応計画に記載された産業競争力強化法の「中長期環境適応生産性向上設備」又は「中長期環境適応需要開拓製品生産設備」の取得等をして、国内事業の用に供した場合は、その取得価額の50%の特別償却とその取得価額の5%(温室効果ガスの削減に著しく資するものにあっては10%)の税額控除が選択適用できます。

 税額控除における控除税額は、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の税額控除制度による控除税額との合計で当期の法人税の20%が上限とされます。

 この税制は、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするという「2050年カーボンニュートラル」という目標に向けての税制です。

 大綱をみていると、国の政策の方向が見える感じがして面白いですね。デジタルトランスフォーメションとカーボンニュートラルを意識すると中長期の方向性につながるのかもしれません。特にデジタルトランスフォーメーションは、今後のビジネスの鍵になるのかもという予感があります。

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