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2020年08月20日号 (第370)

コロナ禍における経営

 みなさん、こんにちは、お盆も過ぎました。相変わらず暑い日が続いています。さて、今回は、コロナ禍における経営の方向性というか、お客さんとよく話題になる話について検討してみます。

◆自分の会社への影響

 コロナの騒ぎが始まって感じるのは、会社の業態によって影響度が全く違う点です。ほとんど、影響を受けていない業態もあれば、4月5月は売上がゼロだったものの、その後は前年対比7~8割程度まで売上が回復している会社もあれば、緊急事態宣言解除後も極端に悪い状態が続いている会社もあります。

 また、意外な現象として、テレワーク化により固定費が縮小され、結果として売上高は減少傾向だけれども、利益が増加している会社もあります。

◆業績がそれほど悪くならない場合

 コロナの影響でも、業績が悪化していない会社、例えば製造業、業者向けのサービス業などでは、人の雇用を意識的に行っている傾向があります。別の言い方をすれば、今までは求人をしても人が集まらなかったのが、今はそれなりに人が集まるという状況のようです。

 ただ、現時点で業績が悪くない業態でも、取引先の業績が悪くなるような場合は、貸倒れに備えることが重要となります。緊急融資などで、当面の資金繰りは手当されたとしても、コロナの影響が長引くことで徐々に資金が枯渇していき、ついには経営破綻という可能性も考えられます。与信管理を徹底することと、緊急融資で取引先の手元資金に余裕がある間に、回収サイトを短くする交渉をするとか、一社あたりの売上債権を大きくしないような配慮が必要です。

◆業績が悪化し損益分岐点を微妙に下回る場合

 私が、見ている限り、飲食店や小売店などでこのパターンがありがちです。緊急事態宣言解除後、営業再開はしたけれど、お客さんが前年対比で7割とか8割とか低調な状態です。

 コロナの騒ぎが急速に収まり、元に戻ってくれればよいのですが、緊急事態宣言時より1日当たりの感染者数が増えている環境下で、6月に比べて7月が悪くなり、さらに8月は、もっと悪くなる傾向で、本当に先が見えない状況が続いています。

 このような会社の対策とすれば、コロナが収束するまで耐えるのか、リストラなどにより損益分岐点を下げ、小さな売上で事業継続できるようにするのか、その折衷案を取るかという状況と思います。

 どの方法がよいかは、経営判断であり、最良の答えはみつかりませんが、中長期の視点で考えると、損益分岐点を小さくする、言い換えれば固定費の圧縮が課題と思われます。複数店舗を展開しているようなケースでは、不採算店舗の早期撤退など、打つ手は多いように思います。また、テレワーク化で、残業時間や交通費の出費を抑え、小さなオフィスに移転するなども固定費の圧縮としては効果的です。

◆業績が大幅に悪化しているケース

 旅行関連、旅館・ホテル業などは大幅に業績が悪化しているケースが多いです。また、意外なところで、クリニックなどもかなり業績悪化している状態です。

 営業的には、どうしようもない状態で、廃業などを検討しているケースも多いと思います。一方で、内部留保などもあり廃業は全く考えていないというケース、役員報酬を減額すればなんとかなるケースもあると思います。

 経営的には、事業を継続するのなら、黒字化へどのような方策を取るのかを検討することが重要です。

 一方で、相続税対策としては、株式の評価が下がった際に、後継者へ贈与するとか、売却するのがオーソドックスな対策であり、重要な取り組みです。リーマンショックの際にも、積極的に株式の移動を行ったケースがありました。今回も大幅な赤字で株式の評価が下がったところで、株を移動するなど、業績が悪いときにしか行えないことを実行するチャンスと捉えることも可能です。

 

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