税務最新情報

2020年01月06日号 (第348)

令和2年度税制改正 法人税編①

 新しい年になりました。今年が、皆様にとって良い年になることを祈念します。

 さて、今回から、しばらくの間は、令和2年度税制改正大綱に基づいて、今年の税制改正について、ご紹介していきます。

オープンイノベーションに係る税制措置の創設

(1)概要

 簡単に説明すると、特定のベンチャー企業の株式を購入して、保有していれば、購入金額の25%を費用扱いできるという制度です。株を保有するだけで、費用扱いですから、かなり特殊な制度です。これと類似する制度は、東京湾アクアラインを作る時にあったようですが、数十年ぶりの珍しい取り組みです。

(2)具体的な内容

 令和2年4月1日から令和4年3月31日までに、特定株式を取得して、その取得した日を含む事業年度末まで有している場合は、その特定株式の取得価額の25%以下の金額を特別勘定として経理したときは、その年の所得の金額を上限として経理した金額の合計額を損金算入できるとする内容です。

 特定株式とは、産業競争力強化法の新事業開拓事業者のうち、産業競争力強化法の特定事業活動に資する事業を行う法人(既に事業を開始しているもので、設立後10年未満に限る)又はこれに類する外国法人のうち、次の要件を満たすことにつき、経済産業大臣の証明があるものをいいます。

  1. 法人が取得するもの又はその法人が出資額割合50%超の唯一の有限責任組合である投資事業有限責任組合の組合財産等となるものであること
  2. 資本金の増加に伴う払込により交付されるものであること
  3. その払込金額が1億円以上(中小企業者にあっては1,000万円以上、外国法人への払込は5億円以上)であること
  4. 法人が特別新事業開拓事業者の株式の取得等をする一定の事業活動を行う法人であって、その特別新事業開拓事業者の経営資源が、その一定の事業活動における高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新たな事業の開拓を行うことに資するものであること
(3)取崩し事由

 この特別勘定は、株式の売却など取崩し事由に該当することになった場合は、その事由に応じて取崩し、益金算入されることになります。ただし、取得から5年経過すれば、取崩し事由などの制限は解除されます。取崩し事由は以下のとおりです。

  1. 特定株式について経済産業大臣の証明が取り消されたとき
  2. 特定株式の全部又は一部を有しなくなった場合
  3. 特定株式につき配当を受けた場合
  4. 特定株式の帳簿価額を減額した場合
  5. 特定株式を組合財産とする投資事業有限責任組合等の出資額割合の変更があった場合
  6. 特定株式に係る特別新事業開拓事業者が解散した場合
  7. 法人が解散した場合
  8. 特別勘定の金額を任意に取崩した場合

◆設備投資を積極的に行っていない会社への取扱い

 大企業について、研究開発費税制を適用する際に、国内設備投資額が当期償却費総額の10%を超えることとする要件を、30%を超えることに厳格化します。

 また、大企業の給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除について、適用年度の国内設備投資額が当期償却費の90%以上とする要件について、95%以上へと厳格化します。

 いずれも、設備投資を積極的に行わない場合は、税の優遇を受けられないとする取扱いで、積極的な投資への後押しとしての位置づけです。

◆交際費等の損金不算入制度の延長

 交際費の損金不算入という取扱い自体が、租税特別措置法で定められていて時限立法ですが令和4年3月まで延長されます。中小企業等に対する800万円までの損金算入の取扱いや、接待飲食費の50%損金算入などの取扱も同様に令和4年3月まで延長されます。

 なお、資本金の額等が100億円を超える法人は、接待飲食費の50%についての損金算入の取扱いから除外されることになりました。

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