税務最新情報

2019年10月21日号 (第341)

災害があった場合の税金問題

 みなさん、こんにちは、台風15号、台風19号と甚大な被害が発生しました。台風被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 今回は、災害などが起きた場合の、申告書の提出期限、災害に関する費用などについて、ご紹介していきます。

期限の問題

 税金に関しては、申告期限、納期限というような形で、常に期限に縛られることになります。災害が起きた際には、物理的にも精神的にも税金の申告や納付どころではないという状況になることが想定されます。

 一般的には、災害がやんだ日から2か月以内に限り、申告、納付の期限が延長されることになります。災害がやんだ日は、台風がいなくなった日のことではなく、直接被災している場合には、災害が引き続き発生する恐れがなくなり、その復旧に着手できる状態になった日、交通途絶の場合には交通機関が運行を始めた日とされています。

 ただ、今回のような大きな災害の場合には、市区町村ごとに災害がやんだ日を国税庁が告示することが予測されます。

 災害の種類は広く想定されるので、必要に応じて個別に申請して期限を延長させる場合もありますが、今回の台風のように大きな災害の場合は国税庁の地域指定による申告期限の延長が行われると思われます。

 また、本社は東京都内にあり直接の被害はなく、経理部門が被災地にあるというケースが想定されます。納税地は本店所在地なので、地域指定の中に入らないことになりますが、そのような場合は個別に申請を行うことで、申告期限と納期限を延長させることが可能です。

◆経理資料がなくなってしまった

 水害などの場合には、経理データが入ったパソコンが水浸しになり復旧できず、それ以外の紙の原始資料も水浸しになってしまって判読できない、あるいはすべての資料が紛失してしまうということも考えられます。

 元になる資料が何もない場合には、前年度の資料を基に所得の計算を行うことになります。前年度の資料については、税務署で閲覧できる仕組みになっています。

 前年度の資料を基にというのは、単純に前年と同じように計算するということではなく、前年度まで計上してあった資産について損失に計上するなどの計算を含むことになります。

 また、消費税について、請求書及び帳簿の保存が仕入税額控除の要件とされていますが、災害があった場合には、その要件を満たさない場合でも仕入税額控除が認められます。

◆通常とは異なる費用の処理など

 現行の税法では、固定資産について評価損を計上することは一般的には認められていません。ところが被災して、資産に著しい損傷が生じている場合には、損金経理を要件に費用として処理することが認められます。

 また、通常であれば交際費に該当する見舞金について、交際費としない取扱い、売掛金の免除に関する取扱いなど、通常より損金として処理されるものの幅が広がります。

 被災した取引先に対して、見舞金を支払う、売掛金を一部免除する、無利息で融資するというケースは、自社が被災していない場合でも適用されるので、直接被災がない場合でも気にしておく必要があります。

 

 災害に関する取扱いは、イレギュラーなので、気になることがあれば、税務署に相談するのがよいと思われます。また、一般的なことについては、下記をご覧ください。

【国税庁】災害に関する主な税務上の取扱いについて

【国税庁】災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ

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