税務最新情報

2019年10月10日号 (第340)

税務調査あれこれ

 みなさん、こんにちは、消費税率が上がりました。軽減税率が適用されているはずの食品、ネット通販で購入したところ、トータルで2,300円から2,600円くらい、割増加です。なんで?と思ってよくみると、送料と手数料が上乗せになっていました。食品は軽減税率でも、事務費や運賃は標準税率なので転嫁されるわけですね、しかも2%ではなく、無料だった送料が上乗せされる形で。消費税についてはかなり影響を気にしていましたがびっくりです。

 さて、今回は、税務調査についてのお話です。

初めての税務調査

 最近、初めて税務調査を受けるお客さんとお話ししたところ、とても精神的な負担になっているのだなと感じました。調査用に資料の準備をしはじめると、あるはずの書類がなかなか出てこなかったり、書類を見返すと間違いに気づいたりで、夜も眠れないということです。具体的に話を聞いてみると、別に問題にもならない話です。さらに、税務調査の話は、親戚やら知り合いから、尾ひれがついて話を聞いていて、とても「コワイ」というイメージがあるようです。巷で、販売されている税務調査本なども、やたらと、大げさなものがあるのも事実です。

 たしかに、自分が税理士になって初めての税務調査の立会をするときは、ずいぶん前から、かなり緊張していました。コワイというのではありませんが、租税法律主義を守るために戦うくらいのつもりでいました。今思うと、いきなり戦う姿勢の若い税理士というのも、やりにくかったと思います。いずれにしても、初めての税務調査については、受ける側からすると、構えている状態になりがちです。

 初めての税務調査で、リラックスしてくださいと言っても難しいかもしれませんが、税務調査に来るのは、普通の公務員です。さらに言えば、ベテランの人が来るかもしれませんが、新人の人が来る場合もありますし、居心地の悪さで言えば税務調査に来る側も相当なものと思います。

 ただ、あれこれ調べられるわけですから、快適なものではなく、強いて言えば時間が取られるとか、会社側にとっては生産性がないという意味での精神的・経済的な負担はあるのも事実です。

◆税務調査での視点

 税務調査では、不正がないか、あるいは、ミスがないかという視点で調査が行われます。真面目にやっているのに、疑われては不愉快と感じるかもしれませんが、税務署側からすれば、納税者が真面目なのか否かはわからない状態で調査に着手します。

 一般的には、初日の最初の数時間は緊張感があります。ある程度、税務調査が進むと、調査に協力的か否か、帳簿類が適正に整っているか否かなどの、おおよその雰囲気をわかってもらえるので、真面目な納税者に対しては、比較的ソフトな対応に変化していきます。

 個人的には、不正は困りますが、ミスはやむを得ないと思っています。すべての事務作業にはコストがかかりますから、ミスをゼロにするために過大なコストをかけることは、経営判断として無駄があります。もちろん、ミスで追加の納税が発生するようになれば、過少申告加算税や延滞税というコストが発生しますが、大きなミスがなければ大きな負担にはならないはずです。

◆税務調査が来ることのメリット

 税務調査が来ることを喜ぶ人はいませんが、社内の経理やお金の流れに関して、外部の人がチェックしてくれるとの視点で考えれば、問題点の改善に役立ちます。

 また、税務調査が来ることにより、経理担当者が自分のミスを指摘されないように、仕事を丁寧に行うなどの副次的な効果があります。ベテラン経営者の中には、定期的に経理部の監査をしてもらってるようなものですと語っている人もいます。社内で緊張感を持った処理をするという意味では、定期的に調査が来る会社は、常に税務署に見られても大丈夫な体制をとりますから、精神面の負担は別にしてメリットもあるのかなと感じます。

 

 税理士をしていると年に5件調査の立会をすれば、20年で100回の税務調査に立ち会います。3年に一度税務調査が入る会社では、経営者は、「今年は調査の年のはず」という意識を持っていますから、税務調査に苦手意識を持ちません。結局は、慣れの問題ということで、過剰に心配することはないと思います。

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