税務最新情報

2019年09月10日号 (第347)

消費税率引上げ直前、やっておくことを考える

 みなさん、こんにちは、月です。消費税率の引上げまでか月を切ってしまいました。お客さんとの会話で、駆け込み需要がほとんどないような話題がでています。増税後に買い控えがなければ良いなと感じますが、どうなるか見えない状況です。

 さて、今回は、消費税率引上げと軽減税率に備えて、直前にやっておくことを検討していきます。

レジの補助金が延長されます!

 軽減税率に備えて複数税率対応のレジが品薄で、9月末までの納品が難しいなどの事情がありました。そこで、従来は、令和元年30日までに、レジの設置と支払いが完了したものを対象としていましたが、令和元年30日までに、契約等の手続きが完了していることに緩和されました。詳しくは、下記を参照してください。

・軽減税率対策補助金の手続要件を変更します(経済産業省WEBサイト)

 消費税率引上げの延期が回あったせいか、今頃になってレジの在庫不足が発生していて、月末までの納品が間に合わないとのことが背景にあるようです。補助金は費用の分の、レジ一台あたり20万円までとなっているので、必要となる場合はご検討ください。

 特に、出前や持ち帰りがある飲食店、食品と食品以外のものを販売する小売店では、必須といえます。お客さんからは、区分した請求書か領収書を発行してくださいと言われますし、対応が遅れるとお客さんが遠ざかってしまう可能性があります。

◆社員教育

 軽減税率を扱う業者は、扱う商品について標準税率になるのか軽減税率になるのかの教育が必要です。アルバイトを使う場合には全員への教育が必要になりますし、レジの打ち方のトレーニングなども必要です。特にポイント還元のために、新しいキャッシュレス端末を導入して、操作方法など課題が山積との話も聞こえてきます。

 さらには、お客さんからのクレーム対応など、取り組むべき課題は盛りだくさんです。特に金額に絡むことなので、間違った対応をしてしまうと大きなトラブルになってしまうかもしれません。

 また、軽減税率とは無関係の業種でも、税率の切替について社内で統一したルールを作成して明確にしておくべきです。経過措置が適用され、10月以降でも旧税率となるケース、9月と10月にまたがる仕事など、現場での疑問は尽きないことが想像できます。

◆料金改定・値札の付け替えなど

 税込みの値札や料金表を利用している業者では、料金そのものの変更や値札の付け替え作業が必要になります。また、税抜・税込み併記の場合でも料金表などの改定作業が必要になります。特に、円単位の端数が生じる場合などは、レジの混雑に繋がりますので、気を付ける必要があります。

 多くの企業では、郵便物を利用すると思いますが、10月から郵便料金の改定が行われます。ハガキは1円の値上げ、定形郵便は2円の値上げということで、必要に応じて不足分の切手などの準備も必要です。定形外の郵便物は、5円と10円の値上げのパターンもありますが、一方で料金据え置きとなる重さもあり、気をつけておかないとミスが起きそうです。

◆経理担当者が気を付けるべきこと

 経理の実務を行う立場からすると、会計ソフトへの入力は、通帳・現金出納帳・経費精算書・クレジットカードの利用明細などを見ながら入力を行います。ところが、通帳、クレジットカードの明細からでは、軽減税率適用分と標準税率分の区分が不可能です。請求書や領収書などを確認しながら入力が必要になる点、気を付ける必要があります。また、現金出納帳や経費精算書から入力する場合は、現金出納帳や経費精算書で、軽減税率と標準税率が区分できるような記載をしてもらわないと正しい入力が行えません。社内でのルールの改正なども必要となりますが、対応が遅れている雰囲気を感じています。

 今回のレジの対応が、8月28日公表です。国の対応でもギリギリな感じですから、民間企業ではもっと大変と思います。いろいろな、事態を想定して準備を進めることが重要です。

 

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