税務最新情報

2019年08月13日号 (第344)

経理の合理化の手法

 みなさん、こんにちは、韓国との貿易はどうなるのでしょう。私のお客さんの中にも、韓国との取引があるお客さんがいますが、先行きが不鮮明な状況です。消費税率の引上げも含めて、景気への悪影響が予測されます。

 さて、今回は、税の話からは少し離れますが、零細企業の経理の合理化について検討してみます。

人手がいない場合の経理の工夫

 社長一人で起業したような会社の場合に、どのような経理処理を採用するかという問題が発生します。多くの場合は、専門的な経理知識は持っていませんが、所得税又は法人税の申告は避けて通ることはできず、何らかの対処が必要です。

 コストの問題を気にしなければ、税理士などに丸投げするなどの方法もありますが、通常は創業当初はコストを抑えることが重要な課題となります。そこで、今回は、社長一人で起業したような極めて小規模な事業主が、合理的に経理を行う方法について検討してみます。

◆目標は損益計算書と貸借対照表を作成すること

 法人税の申告を行う場合には、損益計算書と貸借対照表の作成が必要です。また、所得税でも青色申告をして青色申告特別控除を限度額まで受けるには、損益計算書と貸借対照表の作成が必要です。いわゆる簿記は、損益計算書と貸借対照表を作成する技術なので、簿記を学習するのも一つです。ここでは、簿記の学習をしないで、損益計算書と貸借対照表の完成に近づける手法について説明します。

 損益計算書と貸借対照表の完成へ近づけるという書き方をしているのは、完成させるためにはある程度は簿記的な知識が必要だからです。最終的に申告書を作成する段階では、税務署に行って相談するか、税理士などに依頼する方がよいと思います。

◆通帳とクレジットカードの明細の取り込み

 最近の会計ソフトは、ネットバンキングを利用していれば通帳のデータを自動で取り込んでくれる機能が付いています。また、クレジットカードなどについて、利用明細を自動で取り込むことが可能です。

 ただし、通帳やクレジットカードから自動で取り込んだ状態では、100%の状態ではなく、一定の訂正が必要となります。なお、学習機能というか取り込みのルールなどを設定していくことで、定期的な処理についてはほぼ正しい処理が行えるように精度を高めていくことは可能です。

 例えば、売上はすべて通帳に入金され、支払いは振込かクレジットカードを利用すれば、日常の取引についてはすべて自動で会計ソフトへ取り込みが可能です。決算の際に、在庫、売掛金、買掛金、未払金などの修正を行うだけで、損益計算書と貸借対照表が作成できます。

◆給与や売上データ、それ以外の経費精算データ

 給与については、給与計算ソフトから、売上についてはレジから、会計ソフトへ取り込むことも可能です。あるいは販売管理システムからの連動も可能です。また、スマートホンを利用した経費精算ソフトなどもあります。

 ただし、給与計算ソフトが必要なのか否か、あるいはレジにお金をかける必要があるのか否か、販売管理ソフトが必要なのかなどの判断がその前段階で必要となります。

 正直なところ、起業したばかりという前提なら、通帳とクレジットカードデータの取り込みに比べれば重要度は落ちます。必要に応じて利用すればよいと思います。

◆会計ソフトの選択と設定

 自動取り込みを利用することで、手間をかけずに取り込みが可能です。一方で、全自動というわけではなく、仕訳のルールを設定する、定期的なデータの取り込み作業など、多少の手間は必要となります。

 もっとも重要なのは会計ソフト選びと、会社の状況に合わせた仕組み作りです。通帳とクレジットカードだけで取引が網羅できるような業態には適していますが、通帳以外の取引が大量にある場合には限界があります。また、会計ソフトによっては、給与計算や請求書発行システムと連動するものもありますので、それらが利用できる場合には合理的です。

 会社に適した会計ソフトを選択した次の段階は、仕組み作りです。可能な限り通帳とクレジットカードを利用したとしても、どうしても現金での取引が必要な場合が生じます。その際に、どのようなルールを作るかです。会計ソフトへ直接入力するのか、あるいはエクセルに記載してもらうのか、手書きで記帳するのか。また、決算の際に、棚卸や、売掛金残高の確認など、会計ソフトの自動化で実現できない部分を検証する必要があります。

 最近の会計ソフトでクラウド的な利用が可能なものが増えています。初期のルール作りなど、ネットを介して専門家のアドバイスを受けられる点は非常に大きなメリットです。

 

 

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