税務最新情報

2019年06月10日号 (第348)

軽減税率における食品と外食の分かれ目

 みなさん、こんにちは、最低賃金の報道がされていますが、30年くらい前、自分のアルバイトの時給は500円でした。でも、家賃とか牛丼屋とかハンバーガー屋さんは、今よりも高い時代でした。高くなった賃金はどこに行っているのだろうと素朴に感じました。

 さて、今回は、消費税の軽減税率の中で一番注目度が高い部分で、食品の販売なのか外食なのかの判定についてご紹介していきます。

 

◆食品と外食の関係

 消費税の軽減税率制度は、食品は軽減税率としつつ、外食は除くという取扱いとなっています。今回は、その分かれ目について掘り下げてみましょう。

 食材屋さんで、食品を購入した場合は軽減税率、飲食店で食事をした場合は標準税率という説明までは非常にシンプルです。ところが、ファーストフード店のように、ハンバーガーを店内で食べるお客さんもいれば、ハンバーガーを持ち帰るお客さんもいるようなケースでは、店内飲食の場合は標準税率、持ち帰りの販売は軽減税率と枝分かれすることになります。

◆いつの時点で判断するか

 店内飲食と持ち帰りのお客さんの両方が利用する、ファーストフード店ではどの時点で軽減税率か標準税率を判断するかというと、販売の時点でとされています。レジで販売する際に、店内飲食か持ち帰りかを確認して、持ち帰りなら軽減税率、店内飲食なら標準税率となります。

 通常のレストランのように、食事が終わってから会計するのであれば問題は生じませんが、ファーストフード店のように最初に会計を済ませる場合は、持ち帰りと言ったお客さんが、結果として店内で食べていくなどというケースが生じる可能性があります。消費税法上は、販売時に意思確認をして税率の判定ということになります。例えば、急に、お客さんの気が変わって、店内で食べていかれた場合まで、対応が必要になるとお客さんとのトラブルの原因になってしまいます。

◆どんな場合に外食になるのか

 屋台でラーメンを販売してカウンターで食べさせる場合は外食に該当して、標準税率になります。一方で、公園近くにワゴン車を停めて弁当販売をして、お客さんが公園のベンチで食べるようなケースでは軽減税率になります。どこからが、外食になるのか?国税庁のQ&Aによれば下記が判断基準となります。

① 自らテーブル、椅子、カウンター等を設置している場合
② 自ら設置はしていないが、例えば、設備設置者から使用許可等を受けている場合は、
軽減税率の適用対象となりません。
一方、
③ テーブル、椅子、カウンター等がない場合
④ テーブル、椅子、カウンター等はあるが、例えば、公園などの公共のベンチ等で特段の使用許可等をとっておらず、顧客が使用することもあるがその他の者も自由に使用している場合は、
軽減税率の適用対象となります。

 上記に当てはめると、概ね正しい答えが導き出せます。なお、②のケースは、ショッピングセンターのフードコートなどが該当するでしょう。

 ただし、国税庁のQ&Aで、気になる点があります。最初は、コンビニでイートインスペースがある店で食品を販売した場合に、イートインスペースを利用する人は申し出てくださいという張り紙をするなど、緩やかな対応を示唆してくれていました。ところが、昨年11月に公表されたQ&Aで、下記のようなコメントのものが加わっています。

「飲食はお控えください」といった掲示を行っている休憩スペース等であったとしても、実態としてその休憩スペース等で顧客に飲食料品を飲食させているような場合におけるその飲食料品の提供は「食事の提供」に当たり、軽減税率の適用対象となりません。

 

 このQ&Aが、従来と意味合いが微妙に変わっているのは、掲示だけでなく実態に踏み込む形で判定するとしている点です。極端な話、掲示だけして、全部が軽減税率というのは認めないということであり、実態を重視することが読み取れます。

 

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