税務最新情報
2018年12月04日号 (第379)
スマホで確定申告が可能に!
みなさん、こんにちは、師走になってしまいました。年末年始は、多くの会社では比較的まとまった休みとなるケースが多いですが、飲食店・小売業は繁忙期、特に今年は人手が足りない話をよく耳にします。いつもより、早めにシフトなど決めてしまいましょう。
さて、今回は、平成31年1月から可能になる、スマートフォンによる確定申告についてご紹介します。
◆従来の電子申告との違い
e-taxと呼ばれる、国税の電子申告システムは平成16年のスタートです。当初、利用者がなかなか増えない状況でしたが、平成19年1月からは納税者本人の電子証明書がない場合でも、税理士による電子申告が可能となり、国税庁の資料によれば平成29年度の所得税の確定申告の、電子申告割合が54.5%とされています。
税理士に依頼する場合や、税務署での確定申告相談などで、e-taxを利用する場合は、電子証明書がなくても電子申告が可能ですが、そうでない場合は、パソコン、マイナンバーカードなどのような電子証明書、ICカードリーダー、インターネットに接続できる環境など、いろいろなモノがないと電子申告ができませんでした。
ところが、平成31年1月からは、スマートフォンだけあれば、電子申告が可能となります。税理士に依頼するほどでもない、ちょっとした申告などの場合に、スマホだけで電子申告ができるようになる点は画期的です。
◆一度は税務署に足を運ぶ必要がある
従来の電子申告では、電子証明書で確定申告を行う本人であることの確認を行いますが、平成31年からは、「IDとパスワード」により本人であることの確認を行う手法が追加されました。この確認方法を「ID・パスワード方式」と呼びます。ID・パスワード方式なら、スマホだけ、あるいはインターネットに接続できるパソコンがあれば電子申告が行えます。
「ID・パスワード方式」で、少しだけ面倒なのは、「ID・パスワード方式の届出完了通知」を入手するために、税務署に行き本人確認を行って発行してもらう必要がある点です。
ただし、「ID・パスワード方式の届出完了通知」を一度入手すれば、来年以降もスマホ・パソコンで確定申告が可能ですから、毎年税務署へ出向いていた人にとっては朗報といえます。また、この「ID・パスワード方式」はパソコンからでも申告可能です。
◆手書きに比べて便利な点
従来から税理士に依頼しないで、紙で申告書を書いていた人にとって、どのようなメリットがあるかというと以下のようなことが考えられます。
- 郵送か税務署に持ち込む手間がなくなる
- 必要な箇所に金額を入力すれば自動計算してくれる
- 氏名、カナ、性別、生年月日と画面の通り入力していく形で作業が進む
- 源泉徴収票からの転記も、支払金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額と、源泉徴収票と同じ表記で、入力しなければいけない部分だけが表示されるので入力が簡単
- 下書きして清書など書く手間自体が減る
雰囲気は、下記を参照してください。
平成31年(2019年)1月からいつでもどこでもスマホで申告~5つのステップで手続き完結!~
確定申告書の記載の難しさは、元になる数字を記載する場所と、その記載した数字を元に計算結果を書く場所があるなど記載箇所がたくさんあることと、計算をするにあたって表に当てはめるなどの作業が必要な点です。ところが、スマホによる申告なら、必要な箇所を埋めていけば、自動的に計算をやってくれて、納税額や還付金額が計算され表示されますので、難しいものではなくなることが期待されます。
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