税務最新情報
2018年11月20日号 (第378)
ふるさと納税の季節です!
みなさん、こんにちは、今年初めのクリスマスツリーを二子玉川駅で見つけました。秋になったばかりと思っていたら、冬に移り変わろうとしているのですね。
そして、年末までに忘れてはいけないのは、ふるさと納税です。税務情報の記事としても、定期的にご紹介していますが、年末までにふるさと納税について検討していただけたらと思います。
◆ふるさと納税の上限額を調べよう
都道府県や市区町村に寄付をすると、所得税と住民税で寄付金に対する控除が受けられます。ただし、もともと所得税の負担がない場合には控除される税額がないのでメリットがありませんし、住民税についても所得割額の20%までという控除額の制限があります。
簡単に言えば、たくさん税金を払っている人ほど、ふるさと納税の上限額が大きくなります。正確に計算するには、扶養家族の数、社会保険料の金額、生命保険料控除などその他所得控除額、1月~12月までの収入の額が必要なので、この時期にならないと自分にとっての、もっとも有利な寄付金額の算定はできません。
大雑把な感じとしては、年収400万円で3~4万円、年収600万円で6~7万円、年収800万円で11~13万円、年収1,000万円で15~17万円という雰囲気です。正確な数字は、「ふるさとチョイス」、「さとふる」など、ふるさと納税のサイトがあるので、細かな情報を入力すればホームページ上で上限額の計算が行えます。
ただし、収入金額が1,000万円あっても、住宅ローン減税を受けている場合などは、計算結果が変わるので、身近に税理士がいるのなら税理士に相談するのも一つです。
◆寄付するとどうなるのか?
上限額の計算をして、仮に上限額5万円の場合に、5万円の寄付を行うと、所得税と住民税合わせて4万8千円の税金が安くなります。今、寄付をしても、所得税の還付は確定申告後ですし、住民税は来年の6月以降の税金が安くなる仕組みなので、気持ち的には、持ち出し感があります。それに、5万円寄付しても、4万8千円しか税金が安くならないわけですから、2千円は持ち出しになってしまいます。
2千円持ち出しでも、ふるさと納税に対して、返礼品を送る自治体があります。以前は2万円寄付すると1万円の商品券を返礼品として送ってくれる自治体もありました。5万円寄付して、税金は4万8千円安くなり、2千円は持ち出しだけれど、2万5千円分の商品券がもらえて、結果的には「とてもお得!」となるのです。
ただ、最近は商品券の取扱いを自粛する自治体が増えて、返礼率も30%程度に抑える方向となっています。それでも、ふるさと納税が有利な制度である点については変わりません。
よくある誤解ですが、自分のふるさとにしか寄付できないわけではなく、自分の好きな自治体(応援したい自治体・希望の返礼品をくれる自治体)に寄付できる点が面白い制度です。
◆具体的な流れ
具体的な利用方法は、「ふるさとチョイス」や「さとふる」などのふるさと納税用のサイトで、自治体に寄付の申し込みをして、そのままクレジットカードで決済という流れが便利です。もちろん、都道府県や市区町村のホームページからふるさと納税の内容を確認して、金融機関から振込をすることも可能ですが、ふるさと納税用のサイトを使えば、地域から選ぶ、欲しい返礼品から選ぶ、返礼率の高い自治体から選ぶなどの選び方ができるのと、カード決済まで一連の流れになっていて使いやすいです。
寄付は、上記ネットからが便利ですが、ふるさと納税で税額控除を受けるためには、「確定申告を行う方法」と、確定申告をしない「ワンストップ特例」という2つの選択肢から手続きを選ぶ必要があります。
ワンストップ特例は、従来から確定申告の必要がない方で、年間の寄付先が5か所までの場合に利用できる制度です。ワンストップ特例を利用したい場合は、寄付する時点でワンストップ特例を利用するという選択をしてから寄付すれば、自動的に税額控除の手続きが完了する仕組みです。一方で、確定申告が必要な人や、寄付先が5か所を超える場合は、確定申告が必要となります。
ワンストップ特例の利用も確定申告もしなければ、返礼品は受け取れますが、寄付金から2千円を控除した部分の税額控除を受けることができないので、寄付するだけでなく、税額控除の手続きまで正しく行ってください。
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