税務最新情報

2018年10月22日号 (第375)

インボイスの発行について

 みなさん、こんにちは、一気に涼しくなってきて、肌寒いと感じる日もあるくらいです。体調管理には気をつけましょう。

 来年は祝日が2日、増えるそうです。そして、ゴールデンウイークは暦上10連休とのことです。2月決算法人の申告は、5月の連休明け、こちらは延長なので良いですが、3月決算法人の申告は通常通りなので、連休中に取引先との連絡がしにくくなるのは、決算に影響を与えそうです。

◆インボイスの記載内容

 平成35年10月から導入されるインボイス制度で、要求されるインボイスの記載事項は下記の通りとなります。なお、適格請求書等が正式な名称ですが、下記の事項が記載された請求書、納品書、領収書、レシート等をいい、請求書に限定されるわけではありません。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等(消費税額及び地方消費税額に相当する金額の合計額をいいます。)
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
 

 前回、お伝えしたように登録事業者しかインボイスの交付はできません。また、相手方からインボイスの交付が求められたときは、登録事業者はインボイスの交付義務が課されます。

◆登録番号

 インボイスの記載の中に登録番号とありますが、法人については法人番号の前にTが付く形となります。一方で、法人番号がない個人事業者や人格のない社団等については、個人番号や法人番号と重複しない13桁の番号が割り振られます。いずれにしてもTの後に13桁の番号になります。

 請求書や領収書の印刷の都合上、登録番号を早めに知りたいというニーズがあると思います。法人については既存の法人番号の前にTが付くだけなので、早めにインボイスの様式を満たす請求書や領収書を用意しておくことも可能です。個人事業者などで、請求書や領収書の準備の関係で早く番号が知りたい場合は、平成33年10月に登録申請が可能となりますので、早めに申請するなどの対応が必要となります。

◆インボイスの交付義務が免除される取引

 インボイスの交付義務を定める一方、実務的な配慮から下記の場合には、インボイスの発行義務が免除されます。

  1. 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
  2. 出荷者が卸売市場において行う 生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
  3. 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う 農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
  4. 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
  5. 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

◆適格簡易請求書

 小売業、飲食店業、タクシー業等の不特定多数の者を相手にする業種では、適格簡易請求書という一部記載を簡略化したインボイスの発行を認めます。記載事項は以下の通りです。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
  5. 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

 具体的には、煩雑さを考慮して相手先名の記載の省略が可能で、紙面の都合を考慮して消費税額か適用税率のどちらかを記載するだけでOKとなっています。

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