税務最新情報

2018年08月10日号 (第368)

消費税率アップ・軽減税率・インボイスに備えて(1)

 みなさん、こんにちは、暑い日が続きます。景気は、悪くはないように感じますが、日銀短観などの資料を見ると先行きが怪しい雰囲気、来年は消費税率引上げ、駆け込み需要と、その反動など波乱が予想されます。その次の年は東京オリンピックということで、良い状態が続いてくれるとよいのですが、どうなるでしょうか。

 6月に、国税庁より消費税のインボイスに関する通達とQ&Aが公表されました。今回から、しばらくは、消費税率引上げ、軽減税率、インボイスに関する説明をしていきます。筆者も研修会講師の依頼を多く受けますが、最近は軽減税率をテーマにしたものが多く、注目度の高さを感じます。

◆スケジュールと対応

 消費税率の10%への引上げ、軽減税率の導入が平成31年10月1日からとなります。以前の税率アップのときもそうですが、決算期に関係なく10月1日からとなります。コンビニ、ホテル、交通機関など12時をまたいで売上が発生する場合は、それなりの対策が必要です。また、値札などで税込みの値札を付けている場合なども値札の貼り替えなど準備が必要になります。さらには、駆け込み需要に備えた営業社員の教育などやるべきことは山積しています。

 軽減税率制度では、簡単に言えば食品と配達される新聞が軽減税率の対象となります。現実的には、どこまでが食品で、どこからが食品ではないか。飲食店で、持ち帰りは食品の販売、店内での飲食はレストランサービスとなるのですが、持ち帰ると言っていたお客さんが店内で飲食した場合にどうなるのか?など、疑問が生じます。店内での対応についてマニュアルを作成するなど、十分な準備が必要となります。

 また、消費税率の引上げから4年後、平成35年10月1日からインボイス制度が導入されます。あまり騒がれていませんが、このインボイス制度が、非常に大きな改正です。例えば、インボイスを発行できない免税事業者からの仕入について、仕入税額控除が受けられなくなります。よって、事業者向けビジネスをしている場合には、消費税部分以上に値段を安くしていない限り、免税事業者として仕事を続けて行くのが難しくなります。また、インボイスについて仕入税額控除を受ける側が保存する部分については従来どおりですが、発行者側にも保存義務が生じます。単純に、出力できる状態であれば保存義務を果たしているとは言えないので、法律上の発行者側の保存義務への対応も準備が必要です。

◆消費税の計算に関する対応

 消費税の計算については、軽減税率制度の導入からインボイス制度の導入までは、帳簿及び請求書を、税率ごとに区分する方法によって行われます。請求書を発行する場合も、帳簿に記載する際も、軽減税率である旨と税率を区分した記載が必要になります。

 お客さんとの会話で、「うちは食品を売ってないから、関係ないよね?」と聞かれることがあります。軽減税率の商品を販売していなくても、お茶やお茶菓子など食品の購入は日常あり得るでしょうから、経費で軽減税率を区分して記載するなどの対応が必要になります。消費税の申告書でも、経費について10%部分と8%部分を別けて記載することになりますから、8%部分の記載がなければ、誤った処理をしていることが推測され、税務調査の招待状になってしまう可能性もあります。

 また、インボイス制度導入後に、法律の要求するインボイスの発行が必要となりますが、実際には軽減税率導入と同時に区分記載式の請求書を発行する必要があります。手書きの請求書やエクセルで自作の請求書などであれば、すぐに対応可能ですが、請求書発行システムなどを利用している場合は、それなりに準備期間が必要ですし、インボイス制度まで見据えて、システムのバージョンアップや入れ替えが必要となります。

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