税務最新情報

2018年03月09日号 (第353)

消費税の改正(長期割賦販売・簡易課税他)

 みなさん、こんにちは、確定申告も大詰めです。青色申告特別控除で65万円控除を受けるためには期限内の申告が必要ですので、気を付けましょう。

 さて、今回は、消費税の改正で、前回お知らせした、輸出物品販売場以外の内容のお話です。

◆長期割賦販売等の取扱い

 国際会計基準の流れの中で、法人税法及び所得税法における収益の認識基準について、一部改正が行われます。割賦販売の場合に、分割でしか入金しないことを受けて、延払基準という、入金予定日に収益計上をする取扱が従来は認められていました。今後は通常の販売と同じように、販売した時点で一括して収益の計上を行うことになります。そのような、改正を受けて、消費税の取扱いでも、長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等について、支払期日で資産の譲渡等があったとする取扱が廃止されます。

 平成30年4月1日より前に長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等を行った事業者については、平成35年3月31日までに開始する事業年度は現行の延払基準により計算が可能です。なお、平成30年4月1日以後終了する課税期間に、延払基準の適用をやめた場合、賦払金の残額について、10年均等で資産の譲渡等の金額として計上する経過措置があります。

 なお、法人税法及び所得税法に規定する一定のリース譲渡に該当する場合は、従来通り支払期日到来の日を資産の譲渡等のあった日とする取扱いとなります。

◆簡易課税の事業区分の変更

 平成31年10月1日から、消費税率が10%に引き上げられます。また、消費税率引上げに伴い、複数税率となり、食料品については8%の軽減税率が適用されることとなっています。

 農林水産業については、簡易課税が適用される場合は、現在は第3種事業に該当します。複数税率導入後は、食用の農林水産物を生産する事業を第2種事業として、取り扱うことになりました。これは、食料品について軽減税率を導入したことで、売上については8%の消費税しか上乗せ出来ないのに対して、農機具や、種苗、肥料などの仕入等については10%の税率が課税されることによる不利益が生じることが予想されるための見直しです。

 この改正は、平成31年10月1日を含む課税期間から適用されますが、平成31年10月1日以後の資産の譲渡等について、適用されることになります。

◆輸入に係る消費税の脱税犯に係る罰則の強化

 金を密輸して、国内で販売すれば、消費税分だけ儲かるということで、金の密輸についての報道が多くありました。違法行為ですので、罰則があったのですが、それだけでは密輸の抑止力にならないという点が指摘されていました。

 輸入に係る消費税の脱税犯への罰金の上限が、現行は脱税額までなのに対して、脱税額の10倍が1000万円を超える場合は、脱税額の10倍まで、引き上げられます。極端な話し110万円の脱税なら、最大1100万円の罰金ですから、一度発覚すれば元も子もないという状態になり、抑止力としては大きな効果が期待されます。

 平成30年4月10日以後の違反行為に適用されます。

 

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