税務最新情報

2017年10月10日号 (第338)

会社をたたんだときの税金

 みなさん、こんにちは、すっかりと秋の気候になりました。話題と言えば、選挙の話題が目立ちますが、雰囲気的に税金には影響を与えなさそうです。

 さて、前回は会社をたたむ時のお話をしたので、今回は、会社をたたむ際の税金について、ご紹介していきます。

◆会社をたたむ場合の法的な手続き

 会社を経営されている方から、廃業の相談を受けることが時々あります。年齢が、そこそこで、子供さんがよそに就職して、後継者がいないのでというケースです。倒産ではないものの、業績もよいというわけではなく、目立つ借金もないというようなパターンです。

 この場合、法律的には、会社の解散登記をして、その後会社の清算手続きをして、清算結了となります。言い換えれば、解散は本業をストップするというイメージで、清算手続きは、その後の代金回収や会社で利用していた資産などの処分のイメージです。法的には、解散の登記と、清算結了の登記を行うことになります。

 破産の場合は、破産の後は裁判所が手続きを行いますが、廃業の場合は自分で最後まで手続きを行う必要があります。現実的には破産ではないものの、事実上の倒産というケースで、解散及び清算結了の登記をしないで放り投げるケースも多く存在します。

 自分が会社の代表をしている場合で、相続税がかかるような場合は、会社を廃業するのであれば、最後まで手続きをしておくことが無難です。会社に、代表者からの借入金がある状態だと、その金額が代表者の貸付金として、相続税の財産に組み込まれることになるからです。

◆会社をたたむ際の税金の申告手続き

 解散登記を行えば、解散の日付を決算日として、期首から解散の日までの、法人税、消費税、地方税などの申告手続きが必要になります。また、その後については、残余財産が確定するまで、解散の日の翌日から1年ごとに清算事業年度の申告が必要になり、清算が終わったときには残余財産確定事業年度の申告を行います。この場合も、法人税と地方税の申告、さらに、消費税の納税義務者であれば消費税の申告が必要となります。

 実際には、計画的に廃業する場合は、解散をして、1年経たないうちに残余財産が確定することが多く、解散事業年度の確定申告と残余財産確定事業年度の確定申告をして終わりにするケースが多いです。

◆解散時と清算時の法人税及び地方税

 解散事業年度も残余財産確定事業年度も、普通に法人税計算をします。利益がでれば、法人税がかかりますし、赤字であれば均等割のみ納付というような形になります。ただ、清算事業年度には、財産を換金して、それでも元代表者から借入金が残っているようなケースがあります。このような場合には、元代表者から、債務免除益を計上するケースがあるので損益計算書上黒字となる場合があります。多くの場合は繰越欠損金を利用して、納税が生じないですし、繰越欠損金が存在しない場合でも期限切れの欠損金の利用で課税とならないケースが多くあります。ただし、清算事業年度に不動産の処分などで、本当の意味で黒字となる場合もあり、そのような場合は普通に法人税がかかってしまいます。

◆清算して余ったお金

 借金のない会社を解散、清算した場合に、最終的にお金が残る場合もあります。その場合には、残余財産を株主に分配することになります。元々の資本金部分は株主が出資した金額なので、その金額までは株主に払い戻しても税金はかかりません。元々の、資本金を超える部分については、みなし配当として源泉徴収が必要になるので注意が必要です。

◆消費税の問題

 解散事業年度も清算事業年度も、課税事業者に該当すれば消費税が課税されます。最後に会社で利用していた不動産の売却が伴うような場合には、思いがけない消費税の納付が必要になるケースもあります。廃業のように自分でタイミングを選べるのなら、免税事業者になってから解散という形にするのもの一つの方法です。法人税と異なり、損をする資産の処分でも消費税が課税される点については注意が必要です。

 いずれにしても、いつもとは異なる作業になるので、税金のことは税理士に、登記のことは司法書士に、債務整理の話しがあるような場合には弁護士に相談するのがよいと思います。

記事提供
メールでのお問い合わせの際は、必ず住所、氏名、電話番号を明記してください。

月別バックナンバー

  • 経営支援サービス 小冊子
  • 都内各地の法人会
  • インターネット・セミナー
  • セミナービデオ・レンタルサービス
  • 東法連 特定退職金共済会

ページの先頭へ