税務最新情報

2017年05月10日号 (第323)

節税についての検討

 みなさん、こんにちは、天候にも恵まれて過ごしやすいゴールデンウイークでした、みなさんは、いかがお過ごしでしたか。

 この時期は、例年お客さんと話題になるので、節税の話題です。決算時期となると、節税の話しになります。経営者の方も、研修会などで節税に関して知識を仕入れてきているので、それを踏まえてのお話になります。

 ◆節税対策が必要か否かの検討

 お客さんから相談を受ける事項として、毎年のように節税の話題があります。昨年話しをしていても、状況が変わりますから、また話題になるということで、税理士業務をしていると宿命のようなものです。

 最初に、今年本当に節税対策が必要なのかというところから始まります。経営者の意識として、なんとなく節税をしなければならないという前提があるようで、赤字や繰越欠損金がありまったく節税対策が不要なケースが多くあります。また、業種によっては、銀行対策や許認可の更新の関係から節税対策ではなく、しっかりと利益を確保する必要がある場合もあります。

 長期的に企業を大きく安定させていこうと考えた場合は、節税対策はマイナスに働きます。なぜなら、節税対策は、利益を出しすぎないこと、場合によっては赤字にすることに繋がるため、利益を獲得して内部留保を積み重ねていくことと相反する側面があるからです。節税のために法人成りした場合で、企業を大きくするよりも税金対策にウエイトを置くのか、あるいは企業としての価値を高めたいのかによって、節税に対するスタンスが異なってきます。

節税の潜在的な材料があるか否か

 節税のニーズがある場合で、含み損がある不動産、回収の可能性が低い債権、廃棄しなければいけない棚卸資産などがある場合は、決算月までに処理することで、損金を作り出し結果として節税につながることになります。これらは、いつかは処理しなければいけないものなので、節税のニーズがある場合には最も有利な選択となります。一方で、それらを処理することで赤字となる場合など、金融機関への影響などを考慮して処理をできないケースもあります。

 節税と呼ばれる手法の中には、支出を伴うものが多くありますが、仮に100万円支出して、30万円の節税効果では、税負担の軽減額に比べて支出額が大きくなるので、キャッシュフロー的にはマイナスです。潜在的な節税の材料が最初から存在して、支出を伴わない節税が実行できる場合は非常に有効ですので、時々そのような節税の材料がないか確認作業をしてみることも大切です。

純粋な節税と課税の繰延

 節税と言われる手法の中で、本当に税金が安くなる節税と、今期の税金は安くなる一方で、将来の税金が高くなりトータルでの税額は変わらない課税の繰延としての節税があります。課税の繰延であっても、目先のキャッシュフローがよくなるので、支出を伴わない形で選択できるのであれば有利なものと考えてよいと思います。

 具体的には、租税特別措置法の特別償却などは、課税の繰延に該当します。特別償却することで目先の支出を抑えキャッシュフローの改善につながりますが、償却を先にするため、それ以降の年度の税負担は重くなるという側面があります。一方で、所得拡大税制の適用は、単純に税額控除になるので、純粋な節税と言えます。例えば、投資促進税制では、特別償却と税額控除が選択できます。この場合に、税額控除が恒久的な節税なので、課税の繰延である特別償却より有利なのかという問題が生じます。この点については、目先のキャッシュフローを優先する場合は特別償却の方が、インパクトが大きく有利になりますし、目先のキャッシュフローを気にしないなら恒久的な節税になる税額控除が有利と、ニーズに合わせてどちらが有理になるかは異なってきます。

節税商品による節税

 保険、リース、特別償却が利用可能な固定資産の購入などは、節税商品の利用と位置づけることができます。いずれの場合も、固定資産の購入や保険の利用が会社のニーズにマッチしており必要なものであれば、結果としての節税効果も受けられ一石二鳥です。

 一方で、節税のために必然性の低い保険の加入や、あまり利用しない固定資産を購入するというのは、税金が押さえられる以上に資金が出ていくためキャッシュフローでマイナスになり、投資の効果も薄いと言うことで、トータルで考えると不利な投資と考えられます。

 利益が思った以上に出そうになった時に、「節税」というキーワードが魅力的に感じるかもしれませんが、長期的な視点で有利なのか否か、リスクはないのかについて、十分な検討が必要です。

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