税務最新情報

2017年05月01日号 (第322)

印紙税のありがちな勘違い

 みなさん、こんにちは、ゴールデンウイークです。旅行、読書、休養と有意義にお過ごしください。

 今回は、最近お客さんから収入印紙について、ご質問があったので、それに関連して、実務に関係深い印紙税の話題をご紹介します。

◆印紙税について確認したいときは

 最近、お客さんから「業務委託契約書は、印紙がいらないのですよね」とご質問がありました。お客さんが言われる、印紙がいらないの根拠は「委託契約」であり、「請負契約」に該当しないとの理解なのだと思うのですが、契約書のタイトルではなく契約書の内容によって印紙が必要か否かが変わるので、契約書の原案をファックスしてくださいとお伝えしました。実際に見てみないと請負契約書や継続的な取引の基本契約書に該当するか不明なケースがよくあります。

 一般的な誤解として、領収書・請負契約書など、印紙の対象となる文書に該当しないようにするには、タイトルが変われば大丈夫ではないかとの勘違いがあります。実際は、「領収書」や「請負契約書」というタイトルの文書に課税されるのではなく、領収の事実を表す書面や請負契約の内容を含む書面に課税されます。なので、内容の確認まで行わないと判断ができません。

◆実務でよく登場する課税文書

 印紙税が必要となる文書を課税文書と呼びますが、一般企業でもよく登場しがちなものとしては、以下のようなものがあります。号というのは、条文に合わせた文書の名称なので、特段深い意味があるわけではありません。

①1号文書

 不動産の譲渡等に関する契約書ということで、一般的なイメージは不動産の売買契約書に対する印紙とのイメージがあります。ところが、実務で意外と落とし穴になる文書です。

 実際にあった事例としては、自動販売機の設置契約が屋外の自動販売機設置に伴うもので、販売手数料の授受を行う契約です。この場合は、手数料がその設置した土地の使用料となるため1号文書に該当することになります。自動販売機の手数料の契約で、土地の賃貸借契約というのは意外な感じがしますが、よくある事例です。なお、自動販売機の設置場所が屋内の場合や、手数料の授受がない場合は、課税文書になりません。

 また、請負契約ではないと思って、印紙は不要と思っていたところ、契約書の一条項に著作権の帰属についての記載があり、無体財産の譲渡に該当して印紙が必要になるという事例もあります。

②2号文書

 請負契約書に関して印紙が必要になることは、一般的によく知られています。先ほども書きましたが、タイトルが「請負契約書」でないから大丈夫ということではなく、契約の内容が請負契約に該当する場合は課税文書となります。逆に、タイトルが「請書」になっている書面でも内容が、物品の譲渡契約であれば、請負契約ではないため課税文書に該当しないことになります。内容が、「当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約」に該当するか否かの判断が必要となります。仕事を依頼する場合でも、完成して引き渡すという概念がない契約であれば、請負契約に該当しないことになります。

③7号文書

 継続的取引の基本となる契約書と呼ばれるもので、一般企業で取り扱う内容としては、売買取引の基本契約書、貨物運送基本契約書、下請基本契約書など、営業者間において、売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負に関する複数取引を継続的に行うため、その取引に共通する基本的な取引条件のうち、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうち1以上の事項を定める契約書が該当します。

 物品の売買や、運送を依頼するのに契約書を交わさないケースも一般的ですが、ビジネスの場合は金額や取引料を明確にしておきたいとのニーズがあり、そのような場合には基本契約書を交わします。

④17号文書

 よく知られていますが、5万円以上の領収書については、印紙が必要です。平成26年4月までは3万円以上の領収書について、印紙が必要とされていたためか、いまだに3万円以上5万円未満の領収書に印紙が貼られているケースをみかけることがあります。

 なお、領収書ではなく、預かり証などのタイトルとなっていても、金銭又は有価証券の受領の事実を記載した書面だと印紙が必要になります。

 また、営業に関しないものは、非課税という取扱いがあり、営業をしない個人が領収書を発行した場合は印紙が不要となります。公益法人、医師、歯科医師、弁護士、税理士などの行為は営業に当たらないとされており、非課税となります。ただし、医療法人の発行する領収書は非課税ですが、税理士法人が発行する領収書は課税となるなど、法人の場合は「その法人が法律上、配当が可能か否か」によって取扱いが変わる仕組みとなっています。

 金額の判定を行う際は、消費税を明記しておくことで、消費税を除いた部分の金額で5万円未満か否かの判定を行います。消費税を記載することで有利になりますので、記載することをお勧めします。

 

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