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2017年03月01日号 (第317)

平成29年度税制改正 所得税②積立NISA制度の創設

 みなさん、こんにちは、ときどき暖かい日があるなと思っていたら、もう3月になってしまいました。確定申告期限まで、あと2週間、申告が必要な方は遅れないように気を付けましょう。

 さて、今回は平成29年度税制改正の所得税の2回目になります。積立NISA制度の創設です。原稿を書くために大綱を読み直すと、与党が国民に期待していることは預貯金ではなく、株式投資なのだなというのがなんとなく伝わってきます。その意味では、国が後押ししてくれている制度と位置づけてよいでしょう。

積立NISA制度の創設

 従来のNISA制度は平成26年から利用可能でしたが、積立による利用が少なく、口座を作ったものの全く利用されていないケースが5割以上と、その普及については十分といえない背景がありました。小口の投資を促進することを趣旨として、積立NISA制度を創設しました。

 積立NISA制度は、従来のNISA制度と同じように、口座内での生じた配当や売却益について非課税とする制度です。ただし、従来のNISA制度と、積立NISA制度の両方を利用することはできなく、選択して利用することになります。

積立NISA制度とは

 積立NISA制度とは、非課税口座に累積投資勘定を設けた年から20年間の間に、支払を受ける株式投資信託の配当について、所得税及び住民税が課税されないというものです。基本的には。投資信託などで安定した配当を受ける場合に適した制度です。

 また、非課税口座に累積投資勘定を設けた日から20年間は、その口座内の株式投資信託を売却して利益が生じた場合にも、所得税及び住民税が課されません。投資信託により、安定配当を受け取りつつ、必要に応じて売却してもその利益に課税されないということで、積極的な株式の運用というより、預貯金の代替としての投資信託利用を考えている場合などには魅力的です。マル優制度の投資信託版とイメージすると理解しやすいと思います。

従来のNISA制度との比較

 

従来のNISA

積立NISA

年間の投資上限額

120万円

40万円

非課税での保有期間

5年間

20年間

非課税となる投資枠

600万円

800万円

 従来のNISAが、月に10万円ずつ投資の積み増しを想定して年間120万円までの投資が可能と改正されていましたが、積立NISAは年間で40万円までの投資と、年間の投資額は縮小されています。現実的には、月に10万円ずつ積立ができる人は限られており、月額3万円台ずつの積立を想定している積立NISAの方が生活に馴染みやすいように感じます。

 また、非課税での保有期間は、従来のNISAは5年間なので、取得して5年以内に売却して利益を得ないとメリットがなく投機的な傾向があり、保守的な人は利用しにくい制度でした。一方で、積立NISAであればリスクの少ない商品を選択して、20年間貯蓄をしていくような感覚で始められるので、受け入れやすさがあります。

 従来のNISAは、結果として株式投資が好きな人に一部の非課税枠を与えるというような役割だったのに対して、積立NISAは堅実な商品が販売されることで、貯蓄の代替になり得る裾野の広い制度になる可能性があります。また、保有期間の20年間も、投資を始めたときからと言うことですから、制度が始まる平成30年から20年間ということではなく、長期的な制度となることが期待されます。

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