税務最新情報

2017年01月10日号 (第312)

平成29年度税制改正の全体像

 みなさん、こんにちは、日本郵便が人件費の削減のために1月2日の年賀状の配達を取りやめたそうです。10億円の経費の圧縮効果があるとの報道ですが、上場して経営に本気で取り組み始めたのでしょう。

 さて、今回は平成29年度税制改正の全体像について見ていきます。法人税減税などが一段落したこともあり、小粒な改正という雰囲気があります。また、最近の税制改正の傾向ですが、平成29年度税制改正でも、施行が平成30年以降のものもあり注意が必要です。

法人税関係

 法人税関係で朗報と言えるのは、所得拡大税制の拡充です。中小法人に該当する場合は、従来の倍以上の減税メリットを享受できる可能性があります。中小法人に該当しない場合でも、一定要件を満たすことで従来に比べて控除限度額が大きくなります。

 中小企業投資促進税制における生産性向上設備に係る即時償却について、その対象資産に器具備品及び建物附属設備が加えられることで、従来に比べて適用できるチャンスが拡大します。

 また、細かな点ですが、法人の移転があった場合の、異動届出書については、異動後の所轄税務署への提出が不要になる、あるいは設立届出書に登記事項証明書が不要になるなど、納税環境の整備が行われます。

事業承継税制の見直し

 事業承継税制は、注目度は高いものの、雇用確保要件などによって取り消される可能性があり、取り消された場合のリスクが大きいことなどを理由に、それほど利用されてきませんでした。

 これまでも、利用しやすくするための改正が行われてきましたが、平成29年度税制改正では、雇用確保要件の端数処理を有利に行えるようにし、相続時精算課税との併用を可能にしました。相続時精算課税と併用を行うことで、取り消された場合のリスクが大きく軽減されることになります。

消費税関係

 消費税については、税率引上げ及び軽減税率と大きな話題が続いたこともあり、今年度税制改正は地味な印象です。

 電子マネーなど仮想通貨の譲渡について、消費税法上は非課税として取り扱うことが明らかにされました。施行の時期が平成29年7月1日以後と中途半端な時期なので注意が必要です。

所得税関係

 配偶者控除については、所得金額が900万円を超えることで控除額が小さくなり、所得金額が1,000万円を超えると適用できなくなります。一方で、配偶者特別控除については、配偶者の給与収入額が150万円までの場合は、38万円の控除が利用できることとなり、適用範囲が広がっています。所得が900万円を超える場合には増税、900万円以下の場合には減税の可能性があるということで、増税と減税が入り組んだ改正です。平成30年分の所得税からの適用となります。

 積立NISA制度を創設して、投資信託などの積立型の投資についての非課税枠を設けました。平成30年分の所得税からの適用になります。

タワーマンションに対する固定資産税・不動産取得税の適正化

 タワーマンション節税が流行し、相続税の評価については、著しく不適当に該当するか否かということで、運用による取扱がなされていますが、具体的な改正はありませんでした。固定資産税と不動産取得税については、単純な面積比率ではなく取引単価に応じた補正計算を行うことになりました。

発泡酒や第三のビールの取扱い

 ビール、発泡酒、第三のビールについて、一律の税率となります。また、日本酒とワインについても一律の税率になります。ただし、市場に対する影響が大きいので段階的に調整を行い、平成35年10月1日で最終的に税率の一本化が完了することになります。

 

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