税務最新情報

2016年12月13日号 (第309)

年末調整の実務2

 みなさん、こんにちは。前回の続きになります。

生命保険料控除

 保険料控除申告書が正しく記載されていれば、その通り入力を行えば正しく計算されるはずですが記載誤りがあるので、控除証明書の確認作業が必要です。

 生命保険料控除は、種類としては、①一般の生命保険料、②介護医療保険料、③個人年金保険料の三種類があります。また、契約時期により旧生命保険料と新生命保険料に分類できます。

 控除証明書には、必ず保険料の種類と、新生命保険なのか、旧生命保険料なのか記載されているので記載事項を確認して該当箇所に入力します。

 一枚の控除証明書に、複数の保険の種類の金額が記載されていることもありますので注意が必要です。また、保険の種類ごとに、旧生命保険料なら10万円、新生命保険料なら8万円を超える金額の場合は控除額が上限に達します。控除額が上限に達するような場合は控除証明書の金額をそれ以上入力しても税額に影響ないことになるので、必要以上の入力をしないのも実務の知恵です。

 なお、入力を正しく行えば、控除額はソフトが自動計算してくれます。

 源泉徴収簿の年末調整欄の⑬の部分の金額になります。

地震保険料控除

 地震保険料控除についても保険料控除申告書の記載が正しいようであれば、そのまま入力を行えば正しく計算されます。

 実務的には必ず証明書の確認を行うことが必要です。火災共済などで地震保険に該当しない場合もあります。控除できるものには、地震保険料若しくは長期損害保険料が記載されています。また、地震保険料に該当するか長期損害保険料に該当するかによって、控除限度額が変わってくるので、どちらに該当するかのチェックを入力しましょう。

 源泉徴収簿の年末調整欄の⑭の部分の金額になります。

住宅借入金等特別控除

 住宅借入金等特別控除申告書が提出されている場合は、年末調整で住宅借入金等特別控除の計算を行います。

 ソフトによって入力方法に差異があるので一概に言えませんが、必要事項を入力した場合に自動計算してくれるものと、控除額を自分で計算して入力するケースがあります。

 自動計算の場合は、住宅の取得日、適用した制度、借入金の年末残高を入力すれば自動的に控除額の計算を行ってくれます。一方で、どの制度を選択したかの入力を間違ってしまうと全く異なる計算結果になってしまいます。

 控除額を直接入力する場合には、住宅借入金等特別控除申告書の下の方の部分に記載してある計算式に当てはめて計算を行います。具体的には、下記のような計算です。

            年末の借入金残高×○%

 計算された金額は100円未満切り捨てとなります。

 住宅借入金等特別控除については、ソフトによって入力方法に差異が大きいので、件数もさほど多くないと思いますので、手計算と一致するかの検証がお勧めです。

 

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