税務最新情報

2016年09月02日号 (第300)

企業が支給する非課税となる学資金

 みなさん、こんにちは、体操の内村選手、魅せてくれました。オリンピックは4年に一度なので、選手の力のピークとオリンピックの時期がずれるなど、泣かされる選手が多い中、4年間世界一の実力を維持し続けるって、本当にすごいなと感じました。またレスリングの伊調選手、吉田選手にも感動をもらいました。

 さて、今回は、平成28年度税制改正で認められることになった、企業が支給する学資金が非課税とされる取扱についてご紹介していきます。

◆改正のきっかけ

 この改正のきっかけは厚生労働省の要望に基づくものです。従来は、A市が医学生に奨学金を貸与して、A市が指定する医療機関に一定期間勤務した場合、奨学金の返済を免除するとした場合は、A市と貸与を受けた者との間に雇用関係が無いので非課税として取り扱われるのに対して、A市立の病院に一定期間勤務した場合に奨学金の返済を免除した場合には、雇用関係があることから給与として取り扱われました。

 同じ奨学金の貸与を受け、返済が免除された場合に、勤務先によって課税関係が変わる点を是正しようとするものです。

 なお、今回の改正については、対象を医学生に限定しているわけでないので、一般企業でも利用可能な点が面白そうです。

◆改正された通達の内容

 以下、通達から要件部分を抜粋しました。

●所得税基本通達9-14(通常の給与に加算して受ける学資に充てるため給付される金品)

 学資金で、給与その他対価の性質を有するもののうち、給与所得を有する者がその使用者から受けるものについて非課税となるのは、通常の給与に加算して受けるものに限られる

●所得税基本通達9-15(使用人等に給付される学資金)

 学資金のうち、役員や従業員の家族に支払われるものは、原則として、給与所得を有する者に対する給与に該当するのであるから、当該給与所得を有する者に対する給与等として課税すること

●所得税基本通達9-16(特別の関係がある者が使用人である場合の取扱い)

 学資金の給付を受ける者が、特別の関係がある者であり、かつ、その給付をする者の使用人である場合には、その給付が当該特別の関係がある者のみを対象としているときを除き、その給付は非課税として取り扱って差し支えない

◆従来からある通達との関係

 なお、従来から所得税の基本通達で、業務遂行上の必要に基づき、直接必要な技術や知識を習得させ、免許若しくは資格を取得のための費用又は費用に充てるための金品については、課税しなくて差し支えないとの取扱がありました。

 つまり、業務上必要な資格取得のための費用は、従来から非課税であり、今回の改正にある学資金とは、内容が異なると判断できます。今後、通達等で範囲が明確にされるかもしれませんが、学資金は奨学金と同じような意味で用いられることから、「直接必要な技術や知識を習得させ・・・」という通達より、広範な内容を指すと思われます。具体的には、就学中の生活費なども含む可能性があります。

◆一般企業での利用の可能性を考えると

 一般企業が、選抜試験を行い、大学あるいは大学院の学資金を貸与し、卒業後その企業に就職し、一定年限を勤めることで債務免除する仕組みを採用することが可能となります。

 金銭的な理由で就学困難な者に就学チャンスを作るという意味においても、企業が優秀な学生を早い段階から確保するという意味においても意味のある改正のように感じます。

 

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