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2016年08月01日号 (第297)

路線価が上昇傾向

 みなさん、こんにちは、天候がいまいちというか、夏本番という雰囲気にならない状態です。ビジネス的には、夏は夏らしい方が良いのですが、なかなか難しいものです。

 さて、今回は例年通り7月1日に国税庁より公表された路線価について、ご紹介していきます。

路線価とは

 路線価とは、相続税の計算をする際に、土地の評価額を計算するに当たり、道路に面する一平方当たりの金額を表すもので、例年7月1日に国税庁が公表している数値です。

 公示地価と異なる点は、公示地価が特定の土地についてピンポイントで金額を表しているのに対して、路線価は倍率表を用いる地域以外は網羅して金額が付されている点です。また、金額面では、相続税の評価に使うための金額であるため、公示地価の8掛けの金額とされています。よって、簡易的に時価を求める際には、路線価を0.8で割り返して面積を乗じるなどの手法を用います。

 ちなみに、固定資産税の評価額は公示地価の7掛けとされており、一つの土地に、公示地価、路線価、固定資産税の評価額など複数の金額が付されており、ややこしい状態になっています。

実際の取引価格

 実際の不動産の取引価格ですが、路線価より高い場合もありますし、低い場合もあります。

 不動産業者が仕入として購入する場合は、売る時には、高くても公示地価程度でしか売れませんから、路線価より低い金額で取引されるケースもあります。売り手は金額的には単価で不利になりますが、売り急ぐ場合や、大きすぎる土地などは、割安になっても取引が成立します。

 逆に、隣地を購入する場合などは、割高な金額でも取引が成立する場合があります。

 つまり、実際の取引に当たって、路線価は参考値としての意味は持ちますが、決定的なものにはならなく、あくまでも取引が成立するか否かで金額が決まることになります。

今年は上昇傾向にある路線価

 今年の路線価の全国平均は前年に比べて0.2%増加しました、8年ぶりとのことです。平均値で0.2%ですから、個別には路線価が下がっている地域もありますが、都市部で最高路線価の動きを見ると前年対比で二桁以上、上昇している地域が多くあり二極化が進んでいるとも思えます。

 いずれにしても、少し風向きが変わったと考えてもよいかもしれません。

路線価を基に自宅を評価してみよう

 路線価は国税庁のホームページに公表されているので、インターネットに接続できれば、自分で自宅の路線価を調べることが可能です。厳密には間口や奥行き、角地に該当するか否かで評価額が変わってくるのですが、概ねの数字であれば次のように計算できます。

                          路線価×平米数=概ねの相続税評価額

 坪数ではなく平米で計算すべき点が注意点となります。

 なお、平成27年より相続税の基礎控除が小さくなりましたので、従来は相続税が関係ないと思っていたのに、相続税がかかるというケースが多くあります。その意味では、自宅の評価額を概算でも把握しておくことが重要です。

 

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