税務最新情報

2016年03月01日号 (第285)

消費税の軽減税率制度の全体像

 みなさん、こんにちは、確定申告期限まで残り約2週間です。特に申告期限直前は、税務署も非常に混み合います。早めに提出を心がけましょう。

 さて、今回は、平成28年度税制改正で、最も注目度が高い消費税の軽減税率についての全体像を、ご紹介することにします。細かな取扱や、ずいぶん先の取扱まで決まっていますので、詳細については、次回以降のご紹介となります。

消費税の軽減税率制度の開始時期と対象品目

 平成29年4月1日から予定されている消費税率10%(国分7.8%、地方分2.2%)への引上げと同時に、消費税の軽減税率制度が導入されることになりました。

 軽減税率の対象となるのは、飲食料品(酒類及び外食を除く)と週2回以上発行される新聞の購読料とされました。

 なお、軽減税率は8%(国分6.24%、地方分1.76%)と全体では、現行の消費税率と同じですが、国分と地方分の内訳が変更になっています。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)

 軽減税率制度の導入に伴い、平成33年4月から適格請求書等保存方式が導入されることとなりました。仕入れ税額控除の要件として、適格請求書及び帳簿の保存が必要となります。

 消費税の計算方法については、適格請求書の消費税額を積上げ計算する方法と、取引総額から割り戻し計算との選択制となります。

 適格請求書を発行できるのは、適格請求書発行事業者とされています。適格請求書発行事業者とは、免税事業者以外の事業者であって、納税地を所轄する税務署長に申請書を提出して登録を受けた事業者をいいます。

 免税事業者は、適格請求書を発行することができないことになります。仕入れ税額控除を受けるための要件として、適格請求書が必要であることから、同じ商品を購入する場合、同じサービスの提供を受ける際に、適格請求書が発行可能な取引先を選別するという事態が生じることに繋がることが予測されます。例えば、タクシーに乗る際に、免税事業者である個人タクシーではなく、適格請求書(厳密には適格簡易請求書)が発行可能なタクシーを選択するなどの現象が起こることが予測されます。

 なお、適格請求書等保存方式が導入されて、すぐに免税事業者からの課税仕入れについて、仕入れ税額控除を認めない形とはしないで、6年間の猶予期間を設けて、  最初の3年間は80%部分の仕入れ税額控除を認め、残りの3年間は50%部分の仕入れ税額控除を認めるという形になります。

 免税事業者は、課税事業者を選択することで、結果として、適格請求書発行事業者となることが可能です。よって、適格請求書を必要とする事業者向けのビジネスをする場合には、敢えて課税事業者を選択するというような流れになっていくことが想定されます。

 適格請求書発行事業者の登録は、平成31年4月1日からとされており、課税事業者であれば自動的に適格請求書発行事業者になるというわけではないので、注意が必要です。

適格請求書等保存方式導入までの経過措置

 平成29年4月1日に軽減税率制度が導入されるのに対して、適格請求書等保存方式が適用されるのは平成33年4月1日とされています。その隙間の期間については、区分記載請求書等保存方式という制度が経過的に採用されることになります。

 区分記載請求書等保存方式では、軽減税率の対象となる取引があった場合に、帳簿に「29年軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨」の記載が必要となります。また、請求書等に、「29年軽減対象資産の譲渡等である旨」及び「税率の異なるごとに区分して合計した対価の額」の記載が必要となります。

税額計算の特例

 軽減税率が導入された直後は、レジの変更や会計システムの変更が間に合わず、税率ごとに正しく区分した経理処理が行えないことが想定されます。そこで、売上高や仕入等について、税率の異なることに区分することが困難な場合に、一定の簡便計算を認めることとしています。この簡便方法の採用により、税額計算の結果が異なり有利不利が生じるので注意が必要です。

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