税務最新情報

2016年02月01日号 (第283)

平成28年度税制改正(法人税について②)

 みなさん、こんにちは、やっと冬らしく寒くなってきました。暖冬で、冬物の衣類が売れない、マフラー・手袋などの小物が売れない、スタッドレスタイヤが売れない、灯油が売れないなど、マイナスのお話ばかり伺っていたので、少しでも改善されるとよいなと思っています。

 さて、今回は、平成28年度税制改正の法人税についての2回目となります。

地方拠点強化税制の拡充

 雇用促進税制のうち地方活力向上地域特定業務施設整備計画に係る措置について、所得拡大税制と重複して適用することが可能となります。

 なお、重複して適用する場合には、所得拡大税制の適用の際に計算の基礎となる、雇用者給与等支給増加額から、雇用促進税制の給与等支給額として一定の方法により計算した金額を控除して計算することになります。

 国税及び地方税に共通する取扱となります。

 東京23区から、本店を地方に移転させる計画がある場合などは、是非利用したい制度です。

企業版ふるさと納税の創設

 地方再生法の改正を前提に、地域再生法の改正法の施行日から平成32年3月31日までの間に、地域再生法の認定地域再生計画に記載された地方再生推進寄附活用事業に関連する寄附金を支出した場合には、一定の税額控除を受けられる制度が創設されます。

 青色申告書を提出する法人が対象で、国税及び地方税で税額控除が受けられます。

 なお、地方公共団体に対する寄附金は、全額損金算入されますが、損金算入に加えて税額控除が受けられるという制度です。

  個人のふるさと納税の場合は、実質2千円の負担で、お礼の品を受け取れることで、爆発的な人気です。一方で、企業版ふるさと納税は、通常の地方自治体への寄附よりは税務上有利となりますが、得をするという制度ではありません。

国家戦略特別区域における指定法人の所得の特別控除制度

 青色申告書を提出する内国法人で、国家戦略特別区域の指定の日以後に設立され、その区域内に本店又は主たる事務所を有し、専ら特定事業を営むものは、国家戦略特別区域法の施行の日から平成30年3月31日までに国家戦略特別区域担当大臣の指定を受けた法人については、設立の日から5年間、所得の金額の20%の所得控除が受けられる制度です。

 例えば、千葉市では、ドローンによる医薬品の宅配サービスの実験などを行う前提で、国家戦略特別区域となっています。国家戦略特別区域法の改正が行われ、法人の指定制度が施行された後、千葉市が国家戦略特区域として指定された後に設立された法人が、指定を受けた場合に適用できる制度です。

環境関連投資促進税制の縮減

 エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、以下の見直しをして、適用期限を2年延長して、平成30年3月31日までとしました。

①風力発電設備について即時償却を廃止

②対象資産として、太陽光発電設備を電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の認定発電設備以外のものとする(固定買い取り制度以外)

③税額控除の対象資産から車両運搬具を除外

 太陽光発電装置を設置して、即時償却を行うという節税手法が流行しました。しかし、平成28年度税制改正で、節税手法としての利用はしにくくなることになりました。

記事提供
メールでのお問い合わせの際は、必ず住所、氏名、電話番号を明記してください。

過去の記事一覧

ページの先頭へ