税務最新情報

2016年01月20日号 (第282)

平成28年度税制改正(法人税について①)

 みなさん、こんにちは、1月は、税務に関する仕事としては、法定調書の提出、償却資産税の申告、給与支払報告書の提出と盛りだくさんです。また、源泉所得税について、納期の特例を利用されている方は、1月20日が納期限となりますので、お気を付けください。

 さて、今回は、平成28年度税制改正で、法人税関連についてご紹介していきます。

成長志向の法人税改革で法人実効税率20%台へ

 平成27年度に成長志向の法人税改革という大きな目標に向けて動き出しました。その内容は、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる、言い換えれば広く薄く課税する方向への転換です。広く薄く課税することで、収益拡大に向けた前向きな投資、賃上げが可能な体質へ転換を促すことを趣旨としています。

 平成28年度税制改正により、平成28年度には法人実効税率は29.97%となり、目標である20%台に達成します。なお、平成30年度には法人実効税率は29.74%となる予定です。前年からの引下げは下記の通り0.5%ですが、数年間のスパンで見るときな引下げとなっています。

  平成26年度
 改正前 
 平成27年度
 27年度改正 
 平成28年度
 28年度改正 
 平成30年度
 28年度改正 
法人税率   25.5% 23.9% 23.4% 23.2%
大法人の法人事業税所得割    7.2% 6.0% 3.6% 3.6%
法人実効税率 34.62% 32.11% 29.97% 29.74%

 中小企業の視点からみると、法人税及び事業税については、軽減税率が適用されており、東京都の中小法人であれば所得金額が400万円以下の場合で21%強と優遇されています。中小法人向けの税率については、今回の改正では変更がありません。

課税ベースの拡大

 法人税率を引き下げることと引き替えに、課税ベースは拡大される形の改正が行われます。税率を下げる替わりに、課税所得が高くなるような改正です。結果として、広く薄く課税することが可能となります。

①減価償却方法の見直し

 減価償却の方法には、定率法、定額法などの計算方法があり、定率法の方が早期に減価償却費を多額に計上できる特徴があります。平成28年度税制改正では、建物附属設備と構築物の償却方法を定額法に一本化することになりました。平成28年4月以後に取得される固定資産に適用されます。

②租税特別措置法の見直し

 生産性向上設備投資促進税制は、節税メリットが大きく非常に多額の利用実績があった制度です。本制度について、平成28年度は即時償却を廃止し、50%の特別償却が残る形になります。税額控除も上乗せ措置である5%は廃止、4%の税額控除だけが残ります。また、平成29年度には、措置法の期限切れで廃止となることも明らかにされました。

③欠損金繰越控除額の見直し

 欠損金の繰越控除については、財源の確保と、法人に与える影響を平準化するために下記のとおり変更されます。

 平成27年度改正平成28年度改正 
 事業年度開始日控除限度割合  事業年度開始日控除限度割合 
平成27年4月~ 平成29年3月 65%平成27年4月~平成28年3月 65%
平成28年4月~平成29年3月 60%
平成29年4月~ 50%平成29年4月~平成30年3月 55%
平成30年4月~ 50%

 

④法人事業税の外形標準課税の拡大

 資本金1億円超の外形標準課税が適用される法人の法人事業税は、所得割、付加価値割、資本割から構成されますが、広く薄く課税する趣旨から、所得に課税される所得割のウエイトを小さくし、赤字法人にも課税される付加価値割と資本割のウエイトを、大きくします。

       現行          平成28年度改正    
  付加価値割     0.72% 1.2%
資本割 0.3% 0.5%

 外形標準課税が適用される法人では、所得割のウエイトが小さくなることに伴い、地方法人特別税の税率が現行の93.5%から、平成28年度以降は414.2%に変更になります。

 なお、付加価値割の税率アップが中堅企業へ与える影響が大きいことから、平成28年4月から平成29年3月までに開始する事業年度の付加価値額が40億円未満の法人については、一定の軽減措置が講じられることになります。

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