税務最新情報

2016年01月12日号 (第281)

平成28年度税制改正大綱の全体像

 みなさん、明けましておめでとうございます。良い年になることをお祈りしています。

 さて、今年最初の税務情報ということで、平成28年度税制改正大綱の全体像を確認していくことにします。個人的には、消費税率の軽減税率を除くと、全体的に小粒な改正という雰囲気でした。

法人税関係

・平成28年4月1日以後開始事業年度について、法人税率が23.9%から23.4%に引き下げになりました。0.5%と微妙な下げ幅ですが、法人実効税率が20%台になるという点では意味のある改正です。ただし、中小法人の場合は、課税所得800万円部分までは、法人税率が15%と軽減されており、その部分は変更がありません。

・法人税率の引き下げに伴う財源不足の関係から、繰越欠損金の控除限度額の制限について微妙な調整が行われ、繰越期間の延長が1年先送りとされました。

・外形標準課税が適用される法人については、付加価値割及び資本割りの割合が増加し、所得割の割合が減少という形で、赤字法人に対する課税が強化されています。

・平成28年4月1日以後取得する建物附属設備及び構築物についての減価償却方法は、定率法が廃止され、定額法を利用することになります。

・中小企業でも多く利用されていた生産性向上設備投資促進税制は、平成29年3月31日までに取得した資産で廃止されることになりました。また、即時償却と税額控除率の上乗せ措置については、平成28年3月31日取得分までとされ、期限は延長されないことになりました。

所得税関係

・相続の開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた一定の家屋及び、その敷地の用に供されていた土地等を、相続により取得した個人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までに、一定の要件で売却した場合には、居住用財産の3千万円の特別控除が受けられる制度が創設されます。

・健康の維持推進のために特定健康診査、予防接種、定期健康診断、がん検診等を行い、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に、要指導医薬品及び一般医薬品のうち、医療用から転用された医薬品を購入した場合に、その年中に支払った金額が1万2千円を超える時は、その超える部分の金額(上限8万8千円)について、所得控除できる制度が導入されます。

消費税関係

・消費税については、平成29年4月1日より消費税率を10%への引き上げ、同時に軽減税率が導入されることになりました。軽減税率は減税前の税率と同じ8%で、軽減税率の対象となるのは、食品(酒類及び外食サービスを除く)と新聞とされました。

・軽減税率の導入に伴い、適格請求書(インボイス)が、平成33年4月1日から導入されることになりました。適格請求書を交付するためには、適格請求書発行事業者として登録が必要となります。適格請求書発行事業者としての登録は、平成31年4月1日から申請可能です。免税事業者は、適格請求書を発行できない仕組みとなっていて、取引先との関係から適格請求書を発行する必要がある場合は、敢えて課税事業者を選択することで、適格請求書発行事業者となることが可能です。

・適格請求書等保存方式の導入と軽減税率の導入に時間差があります。そこで、適格請求書保存方式が導入されるまでは、帳簿及び請求書への記載で対応する形になります。

・軽減税率に関する売上高・仕入高を正確に集計するための準備期間として、簡易課税に準じる方式など、いくつかの簡便な計算方法が認められます。簡便な計算を用いることで、益税となる場合も損税となる場合もあるので、その利用に当たっては注意が必要です。

その他

・クレジットカードにより国税を納付できる制度が導入されます。

・マイナンバーの記載が必要とされていた所得税の青色申告承認申請書、消費税簡易課税制度選択届出書、給与所得者の扶養親族申告書、退職所得申告書など多くの書類にマイナンバーの記載が不要となります。

記事提供
メールでのお問い合わせの際は、必ず住所、氏名、電話番号を明記してください。

月別バックナンバー

  • 経営支援サービス 小冊子
  • 都内各地の法人会
  • インターネット・セミナー
  • セミナービデオ・レンタルサービス
  • 東法連 特定退職金共済会

ページの先頭へ