税務最新情報

2015年09月10日号 (第270)

中小企業のマイナンバー対策

 みなさん、こんにちは、不安定な天候が続いています。衣料品の売り場では、天候と秋物を置き始めるタイミングが微妙に一致して、売上は好調だったという話しを聞いたかと思えば、製造業のお客さんで受注が厳しいという話を続けて聞いてと、天候と同じではっきりしない景気の状態です。
 さて、今回は、前回まで続いたマイナンバーについて、まとめ的な内容として書かせていただきます。新しい制度で、聞き慣れない言葉が出てくること、そして注目度が高いので、少し回数を多めにとってきましたが、今回は、制度の紹介と言うより実務目線で書いてみます。

住所地に住んでいない場合のマイナンバーの入手

 来月以降、個人番号を記載した通知カードは、原則として住所地に送られてくることになっています。やむを得ない場合には、住所地ではなく実際に住んでいる場所で受け取ることができるとの取扱があります。やむを得ない場合とは、東日本大震災で避難しているケース、長期入院していて家族がいない場合などです。本人の住所地のある市区町村に申請書を提出するこ
とになります。なお、提出期限は平成27年9月25日までとなっています。不明な点は、ご自分の住民票がある市区町村へお尋ねください。

◆安全管理措置について

 マイナンバーについては、適切な安全管理措置が必要とされています。この点については、中小企業の場合は、不必要なデ ータは極力持たないという考え方も一つの解決策です。
 例えば、年末調整に関する事務は税理士事務所に依頼し、社会保険関係の手続は社会保険労務士に任せるということであれば、社内でマイナンバーとひも付けにしたデータを、保有する必要がありません。つまり、パソコン等への入力は不要になります。従業員や取引先からマイナンバーを取得したら、そのまま税理士事務所や社会保険労務士事務所に預けてしまい、完成した書類が届いたら従業員に配布するものは配布して、保存義務があるものは年度ごとにわけて、鍵付きのロッカーへ保管するというような対応でもそれほど問題がありません。保管期限が切れたものを、廃棄しやすいように年度と内容物は明記して封緘してしまうなどの手法も考えられます。多くの場合は、税務調査のときなどにしか見ることはない書類です。
 一方で、中小企業でも、年末調整や社会保険の事務を社内で行っている場合は、何らかの形で、従業員や取引先のマイナンバーを管理することが必要になります。小規模なら、リストを一枚作成するくらいでも大丈夫ですが、それなりの人数になるとコンピュータで管理する必要が生じると思われます。このような場合には、以前ご紹介している安全管理措置について具体的な検討を行う必要があるでしょう。

番号の取得と本人確認

 番号の取得と本人確認は、基本的には中小企業でも社内で行う必要があります。

 番号の写し間違い、記載間違いなどは、必然的に生じるミスですから、それなりの対策が必要です。番号にはチェックディ ジットという確認用の番号が付いているので、通常はマイナンバーを取り扱うソフトに入力する段階でエラーが発生して気づく仕組みになっています。ただ、番号間違いのものでもチェックをすり抜ける可能性もあるので、細心の注意が必要です。番号間違いを、防ぐためには、番号取得時に確実にチェックするなどの対応が必要です。従業員の提出する扶養控除等申告書については、従業員が記載するのが原則であり、扶養家族について会社で番号確認を行う義務はありません。しかし、記載のミスがあると業務が滞ることになるので、安全管理措置を講じたうえで、従業員の家族の通知カードの写しを提出する仕組みとすることも一つの方法です。特定個人情報保護委員会が公表しているQ&A6-2-2で、記載が正しいことの確認のために、扶養家族の通知カードのコピーを取得してよいとの回答があります。
 通常は会社が行うべきとされている番号の収集については、外部へ委託することも可能であり、マイナンバー制度に関する番号収集代行サービスなども、多くの広告がみられます。中小企業などでは、よくわからないからと、税理士事務所へ委託するなどのケースもあるでしょう。外部へ委託する場合は、書面や電子メールで行う本人確認のように対面しない場合に必要とされる、個人番号がわかる書類と写真付きの身分証明書のコピーを収集して委託先へ渡す場合と、書類の収集そのものから委託する場合とが考えられます。中小企業の場合であれば、書類の収集までは会社で行い、その後の処理について外部へ委託するなどの方法が現実的だと思われます。
 マイナンバー制度自体が新しい制度なので、多くの書籍が出版されていますが、どうしてもゼロからの説明になりますし、新しい情報が次から次へと出てきているのが現状です。不明な点がある場合には、難しく考えずに、関与している税理士や社会保険労務士など、マイナンバーを記載する事務に関わる専門家に質問してみるのがよいと思います。

 

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