税務最新情報

2015年04月10日号 (第255)

結婚・子育て資金の一括贈与制度

 みなさん、こんにちは、新年度になりました。平成27年度税制改正についても、予定通り3月31日に公布され、施行令などの内容も明らかになり、より制度の詳細がみえるようになりました。
 さて、今回は、前回の事業承継税制に引き続き、資産税関係で注目度の高い、結婚・子育て資金の一括贈与制度に関してご紹介していきます。

◆制度の概要

 平成25年4月1日から施行されている教育資金の一括贈与制度は、非常に注目度も高く、信託による利用の契約件数のみでも10万件以上となっており、納税者のニーズにマッチした制度でした。そこで、平成27年度税制改正では、結婚・子育て資金の一括贈与制度を新たに創設しました。
 扶養義務者間であれば、生活費については、その都度贈与が行われ、その支払いに直接充てられている場合は、非課税とされています。教育資金、結婚・子育て資金についても、必要の都度、贈与されている分には非課税となるものを、必要の都度ではなく、一括して贈与しても非課税とする点が両制度の共通点です。
 なお、利用にあたっては、教育資金の一括贈与制度と同様に、直系尊属が金銭を拠出し、信託銀行などの金融機関に信託等を行うことが条件となります。
 金額については、受贈者1人につき1,000万円までとされており、平成27年4月1日から平成31年3月31日までに拠出されたものに限り、贈与税を課税しないという仕組みです。なお、1,000万円のうち、結婚資金として利用できるのは300万円までに限定されています。

◆具体的な資金の使途

 結婚・子育て資金の具体的な使い途としては、下記のような内容です。

(1)結婚費用
 結婚に際して支出する婚礼(結婚披露宴を含む。)に要する費用、
住居に要する費用及び引越に要する費用など
(2)子育て費用
 妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のものなど
子育て費用について、不妊治療やベビーシッターにかかる費用なども含まれます。

◆教育資金の一括贈与制度との相違点

 金額の上限が、教育資金は1,500万円、結婚・子育て資金は1,000万円と、金額の違いこそありますが、仕組みとしては非常に似ています。しかし、決定的に違う点があります。
 教育資金の一括贈与制度は、贈与した者が死亡した場合に、相続財産に組み込まれることはなく、受贈者が30歳になった時点で未使用の金額があれば、その残額について贈与税が課税される仕組みとなっています。相続財産に組み込まれないという点では、短期的な相続対策としての効果があるという特徴があります。
 一方で、結婚・子育て資金については、贈与をした者が死亡した場合は、相続財産に組み込まれる仕組みになっています。孫への相続の場合のような2割加算の対象とならないので、まったくメリットがないわけではありませんが、相続対策としての効果は薄いと考えるべきです。なお、贈与をしたものが生存している場合には、結婚・子育て資金は受贈者が50歳になって、未使用の金額があれば、その残額について贈与税が課税される仕組みとなっています。

◆教育資金の一括贈与制度の改正点

 教育資金の一括贈与制度は、平成27年12月31日で終了する予定でしたが、平成27年度税制改正で、平成31年3月31日の拠出まで、期限が延長されました。
 また、教育資金の中に、留学の渡航費用と通勤定期券代が含まれることになりました。なお、留学中の生活費については、教育資金に含まれないことになっていますが、扶養義務者が生活費としてその都度送金することにより、結果として贈与税は課税されないことになります。

 

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