税務最新情報

2014年08月11日号 (第232)

法人税改革案の内容

 みなさん、こんにちは、猛暑が続きますね。熱中症対策を心がけてください。
 平成26年度税制改正の目玉の一つである「生産性向上設備投資促進税制」について、Q&Aが公表されています。参考になる部分が多くあるので、一度はご確認ください。

http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/q_and_a.pdf

 今回は、6月の終わりに税制調査会において議論された、「法人税の改革について」の内容をご紹介します。平成27年度税制改正は、この法人税改革案に沿う形で実施されることが予想されます。

全体的な方向性

 1つ目は、日本企業の国際競争力を高めるために、課税ベースを拡大しつつ、税率を引き下げるという内容です。2つ目は、法人税の負担構造を改革する事により、広く薄く負担を求める構造へ変化させることであり、租税特別措置法についてゼロベースで検証していくこととする内容です。それ以外では、地方法人課税についても、広く薄く負担するという趣旨から、外形標準課税をより広く適用するような見直しが必要であるとしています。
 現状は、多くの法人が赤字であり法人税の納税を行わず、地方税の均等割額のみを納税している状況です。つまり、黒字法人のみに税負担が偏っているという問題があります。そこで、黒字法人の税負担を軽くする必要があるので税率を下げることにし、一方で、その財源として、現在納税を行っていない法人から課税できる仕組みを構築するというものです。

具体的な検討事項の要約

   法人税改革についての内容を要約すると下記の通りです。私のお客さんは、中小法人が多いので、少し厳しく感じました。

【1】租税特別措置法の見直し
 期限のある措置法は、原則期限到来時に廃止、期限がない措置法は期限を設定して対象をより小さくする見直しを行う、利用実態が特定の企業に集中している政策税制や、適用者数が極端に少ない政策税制は、廃止を含めて根本的な見直しを行う。

【2】欠損金の繰越控除制度の見直し
 繰越欠損金の繰越控除期間を延長し、控除上限額を引き下げる見直しを行うこととする。なお、それに伴って帳簿の保存期間の延長が必要となる。

【3】受取配当金等の益金不算入制度の見直し
 支配関係を目的とする株式の保有に伴う配当収益を課税対象から外すべきである。

【4】減価償却制度の見直し
 定率法を廃止し、定額法に一本化すべきである。

【5】地方税の損金算入の見直し
 財源確保の一環として、地方税の各税目の性格や事業者への影響を勘案しつつ、地方税の損金算入の見直しについて、具体的な方策を検討すべきである。

【6】中小法人課税の見直し
①中小法人の範囲について
 現在資本金1億円未満となっている水準を引き下げ、段階的な基準の設置を検討する必要がある。
②軽減税率について
 所得金額800万円以下の金額に適用される軽減税率は厳しく見直すべきである。また、措置法で設けられている軽減税率についても、リーマンショック後への対応として設けられたものであり、その役割は終えている。
③その他特例措置について
 租税特別措置法と同様に見直しを行う必要がある。
④いわゆる「法人成り」について
 ・給与所得控除について、さらなる検討が必要である。
 ・軽減税率を見直すことで所得税とのバランスをとる必要がある。
 ・中小法人について適用除外されている留保金課税について検討が必要である。 

【7】公益法人課税等の見直し
 公益法人以外の法人とのバランスから、公益法人等の範囲や収益事業の範囲を見直すべきである。また、軽減税率とみなし寄付金制度の適用は過大な対応であり、見直しが必要である。さらに、配当や金融資産収益については、会費や寄付金収入とは異なり、発生した収益として課税のあり方について検討すべきである。

【8】地方法人課税の見直し(法人事業税を中心に)
 現在は資本金1億円超の法人を対象に外形標準課税が採用されているが、対象法人の拡大を行うべきである。また、外形標準課税の計算については、所得に対する税負担を軽減し、付加価値割の比重を高めるべきとしている。資本割についても、付加価値割に振り替えることが望ましいとしている。
 現在、資本金の額と従業員数に基づいた区分に応じて課税されている法人住民税均等割りについて増額し、法人所得に対する税負担を軽減することが望ましいとしている。

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