税務最新情報

2014年05月01日号 (第222)

3月決算法人の申告に関する注意点

 みなさん、こんにちは、3月決算法人の法人税の申告準備の季節です。平成25年度税制改正で注目されていた、交際費の改正、所得拡大税制の改正は、平成25年4月以降開始事業年度からということで、新規設立法人や事業年度を変更の場合を除き、この3月決算法人から適用になります。また、平成26年度税制改正で導入された生産性向上設備投資促進税制については、平成26年3月期に取得したものも対象となるケースがあるので注意が必要です。
 今回は、申告直前と言うことで、上記三つの税制について、実務上の注意点を確認していきます。

交際費の定額控除限度額の拡大

 平成25年4月1日以降開始する事業年度から、中小法人については、支出する交際費のうち800万円を超える部分の金額が損金不算入という取扱いになりました。従来は、600万円までの90%が損金算入の上限でしたから、年間で200万円以上枠が増加したことになります。手書きで申告書を作成している場合は、古い別表を用いて計算をすると間違いが起こるので気をつけてください。
 なお、ここでいう中小法人は、基本的には、資本金の額又は出資金の額が、1億円以下である法人(注1、注2)をいいます。
(注1)期末において、次に掲げる大法人との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人は除かれます。

  1. 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
  2. 相互会社
  3. 受託法人

(注2)完全支配関係がある複数の上記の大法人に発行済株式等の全部を保有されている普通法人についても除かれます。

生産性向上設備投資促進税制

 産業競争力強化法が平成26年1月20日に施行されたため、平成26年1月20日から平成29年3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物及びソフトウェアで、産業競争力強化法に該当するもののうち、一定規模以上のものの取得等をして、事業の用に供した場合は、特別償却と税額控除の選択適用が認められる制度です。
 資産の詳細については、こちらを、ご覧ください。
http://www.tohoren.or.jp/zenkoku/index.asp?patten_cd=12&page_no=868

 なお、3月決算法人で注意すべきは、平成26年1月20日から26年3月31日までの取得等の場合には、本制度の対象にはなるものの、実際に特別償却又は税額控除が行えるのは、平成26年4月1日を含む事業年度となることです。実質的には、この3月期に取得しても、特別償却は次年度からということになります。

所得拡大税制

 所得拡大税制については、平成25年度税制改正で創設され、平成26年度税制改正で、要件の緩和と期限が延長されました。詳しくは下記をご覧ください。
http://www.tohoren.or.jp/zenkoku/index.asp?patten_cd=12&page_no=573
http://www.tohoren.or.jp/zenkoku/index.asp?patten_cd=12&page_no=865

 所得拡大税制に関して、気をつけなければいけないのは、特段の準備がない場合でも、要件を満たせば適用できる点です。意識しないまま、要件を満たしてしまった場合などは、適用忘れが生ずる可能性があるので注意が必要です。
 所得拡大税制の要件については、簡単には下記の3つです。

  1. 雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が一定以上であること ⇒増加率が一定以上であること
  2. 雇用者給与等支給額が前年以上であること ⇒絶対額が増加していること
  3. 平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回ること ⇒平均額で増加していること

 

 本来であれば、要件緩和については、平成26年度税制改正であるため、平成26年4月1日以降開始事業年度から適用されるのが通例です。しかし、大綱にあったとおり、遡及して要件の緩和が行われることになりました。
 ただし、平成26年3月決算の場合は、要件緩和前の要件で判定して旧基準を適用することになります。そして、平成26年3月期について、要件緩和前では要件を満たさない場合に、新基準で計算して要件を満たす場合は、平成27年3月期の法人税申告時に上積みして適用されることになりました。
 なお、平成26年4月1日以降に終了する事業年度については、要件緩和後の取扱いで申告を行います。3月決算の場合だけ、特別という点については注意が必要です。

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