税務最新情報

2014年04月21日号 (第221)

消費税率引上げの会計ソフトへの影響

 みなさん、こんにちは、消費税率が引上げになってから、しばらく経過しました。消費税率分の上乗せについては、飲食店などを見ているとチェーン店を除き、価格を据え置きにしているところもあり、対応は様々なようです。実務上の問題を考えると、食券の販売機が1円玉に未対応、釣り銭を渡す手間、近所の競合店と合わせた対応を取らざるを得ないなどの問題があります。また、平成27年10月から消費税率が引上げになることを考慮すると、メニューを一新するコスト負担も気になるようです。
 さて、今回は、消費税率引上げと会計ソフトの問題について、ご紹介していきます。

会計ソフトはバージョンアップが必要

 一般的に利用されている会計ソフトは、バージョンアップさせないと、消費税率8%に対応しないようです。よって、会計ソフトを利用されている場合は、会計ソフトを最新の状態にバージョンアップをさせることをお勧めします。
 会計ソフトをバージョンアップさせない場合は、下記のような問題が生じます。

(1) 消費税の計算が正しく行えない

 多くの場合、消費税の計算の大部分を会計ソフトの機能に依存しています。例えば、税込108万円の取引があった場合に、本体価格100万円と、消費税部分8万円に区別するなどの作業です。仮に、消費税率が5%のままの会計ソフトを利用すると、108万円の取引について、本体部分を102万8,571円、消費税部分を5万1,429円と、誤った形で割り振ってしまうことになります。

(2) 貸借対照表や損益計算書が正しく表示されない

 税抜き経理をしている場合は、消費税部分を外した金額で、貸借対照表や損益計算書を作成します。上記で示したように、消費税部分の金額を正しく抜き出すことができないので、結果として誤った貸借対照表や損益計算書が作成されることになります。
 なお、税込経理を採用している場合は、貸借対照表や損益計算書の表示には影響を与えません。ただし、消費税の計算が正しく行われないという問題は残ります。

バージョンアップは早ければ早いほど良い

 消費税率がアップされた現時点では、会計ソフトのバージョンアップは、早ければ早くしたほうが良いと考えられます。これは、4月になって入力されたデータが5%の消費税として入力されてしまうからです。後になって、消費税率引上げに対応した会計ソフトにバージョンアップしたとしても、5%で入力済みのデータが、自動的に8%に置き換わるわけではありません。
 なぜなら、消費税の経過措置という取扱いがあり、4月以降でも、一部の取引については、消費税率が5%で据え置かれる場合もあるため、消費税率8%に対応済みの会計ソフトであっても、4月以降の取引については、5%と8%の消費税率が選択できるようになっているからです。
 バージョンアップが遅れれば、入力済みのデータについて、5%から8%へ手作業で、税区分を変更する必要があるので、その作業の手間が増えることになります。

3月中に8%の税率を払う場合の処理

 平成26年4月1日以降の消費税率が8%となりましたが、3月中の取引でも8%で請求が届くような場合があります。この場合、どのように処理したらよいでしょうか。
 例えば、4月分の家賃について、3月中に支払うという契約は一般的です。仮に家賃が20万円だとした場合、3月分までは21万円の支払だったところが、4月分の家賃の支払は21万6千円になります。4月分の家賃を3月に振り込む際に、消費税率が8%だからといって、8%の税区分を選択したくても、多くの会計ソフトは3月の日付では8%としての入力ができない状態となっています。
 そこで、実務上は、3月中は、いったん5%で入力しておいて、4月になった時点で8%に訂正するような振替仕訳を起こす必要があります。

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 簿記の経験がある方は、理解しやすいと思いますが、5%の家賃を取り消して、8%の家賃に置き換える仕訳です。
 実務上は、家賃だけではなく、3月と4月をまたいで保守料や警備料などの経費が生ずる場合に、前払の処理をしている場合には、4月分以降で8%の税率となっている部分については、振替仕訳が必要になってきます。

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